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ブログ

保育所経営ブログ

VOL.80「女性が働きやすい職場づくりに向けて」

2022.07.20

皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。

 

今年は梅雨明けが極端に早かったと思った矢先、
ここ数日は雨の日が続いていますね。

 

気温も湿度も高くなると、
食欲が落ちたり睡眠の質が低下したりと、
体調も不安定になりがちですので、
普段より1時間程度、早く就寝するようにしています。

 

さて、今年度も様々な法令改正があり、この場でもいくつかご紹介していますが、
今回は「女性活躍推進法」の改正について解説していきます。

 

女性活躍推進法とは

 

「女性活躍推進法」は、国内における「就業を希望していても働けない女性が多い」、
「出産・育児を理由に離職する女性が多い」、「女性管理職の割合が低い」などの
課題解消を目的に2015年に制定された比較的新しい法律です。

 

この法律では、社員数301人以上の事業主(会社)に対して、以下の措置を義務付けています。

 

①職場内の「女性の活躍に関する状況把握・調査」の実施

主に、「女性の採用比率」「勤続年数の男女比率」
「労働時間の状況」「女性管理職比率」などについて、
状況の把握と課題の分析を行うこととされています。

 

②一般事業主行動計画の策定・届出

上記①を踏まえて、事業主は女性の活躍を推進するための
「一般事業主行動計画」を策定・届出・公表します。

この行動計画には「計画期間」「数値目標」
「取組内容」「取組の実施期間」を盛り込みます。

 

③行動計画等の公開

策定した上記②を実施した結果、得られた成果を公表します。
具体的には、厚生労働省が運営する『女性の活躍推進企業データベース』
自社のホームページへ掲載します。

 

2022年4月からの改正点

 

改正により、一般事業主行動計画の策定など(①~③)の義務の対象が、
301人以上の事業主から、101人以上の事業主に拡大されています。

 

この人数には非常勤職員も含まれるため、
通常規模の保育園を3園程度運営している法人は、
対象になってくると思われます。

 

2022年7月8日からの改正点

 

情報公表項目に、「男女の賃金差異」が追加されました。
(2022年7月8日、女性活躍推進法の省令・告示を改正し、同日施行)
301人以上の事業主を対象に、当該項目の公表を義務化しています。

 

101人以上300人以下の事業主も、「男女の賃金差異」を含む16項目から
任意の1項目以上の情報公表が必要です。

 

情報公表項目の詳細については、厚生労働省のリーフレットをご参照ください。

厚生労働省:女性の躍進に関する「情報公表」が変わります(周知用リーフレット)

 

女性が働きやすい職場づくりに向けて

 

保育園の場合、女性の在職就業率が高いため、
いわゆる「ジェンダー格差」のような状況は発生しづらいと言われます。

しかしその一方で、ライフイベントを事由とした退職やその後の育休復帰率の向上、
また人間関係などを事由とした休職や退職の予防には、
引き続き取り組んでいく必要があります。

 

単に法律に対応するための計画ではなく、
職員や求職者にとって安心して働き続けられる取り組みを検討していきましょう。

 

参考までに、過去のバックナンバーから
働きやすい職場づくりに向けたヒントを見返していただければと思います。

 

VOL.72「保育園における定年見直しの留意点③ ~選択的時短正社員制度~」

VOL.61「限定正職員制度の活用について考える①」

VOL.62「限定正職員制度の活用について考える②」

VOL.58「オンライン会議の実践!」

◆VOL.52「働きやすい職場づくりに向けたICTの活用について」

VOL.48「採用力強化のためのアルムナイ制度」

 

 

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
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