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保育所経営ブログ

VOL.44「人事考課を上手に運用するコツ①」

2019.04.17

皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。

最近はこのブログをご覧いただいている方から、
「保育園での人事考課」についてお問い合わせをいただくことが増えています。

「人事考課制度をつくりたい」というお問い合わせもあれば、
「人事考課をやっているけど上手くできていないというご相談も多いです。

上手くできない最大の要因は何か?

それは「仏作って魂入れず」ではありませんが、
人事考課の仕組みが出来上がったと安心されてしまい、
肝心の運用面で起きる細々した問題の修正を怠っている可能性があります。

人事考課の効果を高めるには、
・運用実態に即したマニュアルなどの作成(修正)と周知
・考課者研修を通じた考課者のスキルアップ
などの取り組みを継続的に行っていく必要があります。

今回はまず、「運用実態に即したマニュアルなどの作成(修正)と周知」について

取り組み方のポイントをご紹介します。

ルールや書式、マニュアル等は常にブラッシュアップ

評価の目的・項目・評点のつけ方・賃金への反映のルールなどについては、
人事考課の仕組みを作る際にマニュアルを作り定めていることと思います。

組織の体制の変更や人事異動、新たな職員の入職、役職の変更など、
人事に関連する事柄が生じた場合は、連動して人事考課にかかるルールや書式を見直すようにしましょう。

職員との理解を深める機会をつくる

また、「基本的なルールは皆分かっている」と過信してはいけません。
役職や役割、経験年数が変われば、人事考課の取り組み方も変わってきます。
仕組みやルールを確認する機会は積極的にもつようにしましょう。

時期は、人事考課を始める直前ではなく少し時間に余裕をもって開催するようにします。
そうすることで、職員の疑問や不安を受け止められます。

職員の「?」にしっかり応える

さらに精度を高めていくための取り組みとしては、
『人事考課のFAQ』を作成し、都度更新していくことが効果的です。

保育の仕事を点数で評価することは簡単ではありません。
マニュアルや研修だけでは対応しきれない判断が難しいケースも考えらえます。

そういった個別のケースに対してどのように評価をするのか、
FAQ形式でまとめるとその後の判断がしやすくなります。

例えば、以下のようなケース、
皆さんはプラスの評価にしますか?マイナスの評価にしますか?

・保育と直接は関係がない福祉系の国家資格を取得した場合
・出勤時の服装が派手で、保護者や近所の方に良い印象を与えないような場合
・勤務後自宅で頑張って、素晴らしい行事企画書を作ってきた場合

 

人事考課には原理原則があります。
仕事と直接関係のない取り組みや、業務時間外の内容は評価対象としないことが原則ですが、
原理原則だけでは判断に迷うこともあるでしょう。園によって評価が違うこともありえます。

大事なことは「園の基準」をつくり共有することです。

「この場合はどう評価する?」という意見交換をぜひ実施してみてください。

次回は、「考課者研修を通じた考課者のスキルアップ」についてご紹介します。

 

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.