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開業支援

開業された先生の体験談

医療法人社団 燈憩会 おおた心療内科醫院 理事長 太田 共夫 先生

(お話を伺った日:2018年05月23日)

“病診連携”で地域医療の発展に貢献

わが国では、より効率的・効果的な医療の提供を目指すため、病院と診療所がそれぞれの役割・機能を分担する“病診連携”が進められています。
2015年6月神奈川県横須賀市に開院された医療法人社団 燈憩会おおた心療内科醫院も、開業当初から“病診連携”および“他科連携”に積極的に取り組み、地域医療の発展に貢献されています。
今回、理事長の太田 共夫先生に開業時に気をつけた点や開業後の病診連携について伺いました。

開業にあたり川原経営を選ばれた理由をお教えください。

WEB上で住居から近い品川付近のコンサルタント会社を探したところ、川原経営さんをみつけました。
医療業界での実績と立地の良さから、コンサルティングをお願いすることに決めました。開業場所も決まっていなかったため、一緒に考えていただきましたが「勤務中の病院から近い方がいま診ている患者さんに来てもらいやすいですよ。病診連携にもつながるので、そちらで考えてみてはいかがでしょうか」とアドバイスいただき、スムーズに開業場所を決定することができました。

開業時から地域連携を図り、患者さんの引き継ぎが円滑に行われたと伺いました。

川原経営の開業担当の方にある日こう言われました。「開業後病院から移ってきてくださる患者さんは1割くらいだと考えてください」と。その言葉に背中を押されて、思い切って当時勤務していた横須賀共済病院の院長に開業の意思を打ち明けました。幸い快くご了承いただき、開院3カ月前から患者さんへの説明を開始しました。病院のサポートもあり、円滑な引き継ぎができたことで、最終的に約8割の患者さんが当院に移ってきてくださいました。横須賀共済病院とは、開業後も、複数の診療科から心療内科を受診する患者さんをご紹介いただくなど、よい関係が築けていると感じます。その他にも、川原経営さんにはスタッフの採用方法の選定から面接対応までサポートしていただき助かりました。そのころ採用したスタッフ2名は、今でも当院で活躍してくれています。

“病診連携” および“他科連携”について、具体的にどのように取り組まれていますか。

“病診連携”については、MRIやSPECTを用いた認知症診断補助など総合病院でしか対応できない高次検査、緊急性を有する身体合併症や原疾患の急性増悪のため入院が必要な患者さんを、月10名程度(割合は検査が7名、入院が3名)、横須賀共済病院、横須賀市立うわまち病院、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター、社会福祉法人湘南福祉協会 湘南病院など、地域の病院にご紹介しています。
“他科連携”については、高血糖など検査値の逸脱、嘔気、めまい、動悸など単一の身体愁訴のみで緊急性が低いと判断される場合に患者さんの意向に合わせて近隣で開業されている専門医の先生方にご紹介しています。反対に心療内科を受診される方をご紹介いただくこともあります。病院や他科の診療所と連携することで、地域でのより効率的・効果的な医療システムの構築を目指しています。

地域連携を図る上で心掛けていることはありますか。

地域の先生方から患者さんのご紹介を受けた際や、患者さんから紹介状を依頼された際は、丁寧かつ迅速に、基本はその場で即応するよう心掛けています。このように説明すると当たり前に聞こえるかもしれません。しかし、他医療機関や患者さんとのかかわりの中で「当たり前のことをいかに丁寧かつ迅速に対応していくか」ということが、信頼関係に繋がると信じ日々取り組んでいます。また、当院を「医療に添えて憩いをも提供できる場にしたい」という思いから、患者さんに寛いでいただける空間創りを心掛けています。
家具は無垢材を使い用途ごとに工房に特注しました。扉にはステンドグラスをはめ込み採光と温かみを両立させました。本棚にはお子さん用に児童書や折り紙もご用意しています。

患者さんと一緒に来院したお子さんも楽しめるよう、児童書や折り紙を用意しています。

今後の展開についてはどのようにお考えですか。

今後挑戦したいと考えているのは、子どもの発達障害・精神病性障害などを対象とする児童精神医学の分野です。この分野は、ニーズが高いにもかかわらず、国際的にも人材不足が嘆かれており日本も例外ではありません。特に発達障害は思春期以前に発病するため、早期発見のうえ適切な治療に繋ぐことができるか否かが患者さんのその後の人生に大きくかかわります。残念ながら十分に対応しきれていないのが現状です。また、本来なら児童精神科医と小児科医が連携して診療するのがベストですが、小児科医のみで診ている場合がほとんどです。当院にもよくお問い合わせいただきますが、診療対象が高校生以上であり、近隣でご紹介できる施設もないためお断りするほかありません。このような地域のニーズにお応えするためにも、将来的には、当院に児童精神科専門医を招聘し特殊外来を週1回でも行うことで、地域医療の発展に貢献したいと考えています。

<診察室>患者さんが安心して受診できるよう
落着きのあるオーダーメイドの家具が揃っています。
<受付>アンティークシルバーの文鎮と
ステンドグラスの扇がお出迎えします。
<待合室>ドイツ製のクラシックな機械式時計と
シックな色合いのソファーが並んでいます。

地域のニーズに寄り添い、他医療機関と連携しながら地域医療の発展に貢献する太田理事長の今後ますますのご活躍が期待されます。

 

理事長 太田 共夫 先生のご略歴

1989年聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学病院に5年間勤務。「うつ病の薬物治療」「認知症の初期診断」をテーマに臨床研究を行う。その後、十余年におよぶ国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院勤務を経て、2015年6月「心療内科」「精神科」「老年精神科」の専門クリニックとして医療法人社団 燈憩会 おおた心療内科醫院を開院。現在に至る。

医療法人社団 燈憩会 おおた心療内科醫院

■診療科目:心療内科・精神科・老年精神科

■住所:神奈川県横須賀市若松町1-1 野上屋ビル5F

■アクセス:京急本線 横須賀中央駅 徒歩2分/京急バス6番乗場正面

■電話番号:046-823-3700・FAX:046-823-380

■URL:http://ota-mentalibus-clinic.com/

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