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介護経営のエッセンス
【介護経営の勘どころ⑩】通所リハビリテーションの経営改善を進める3つの視点
連載「介護経営の勘どころ」の第9回と第10回は、金沢が担当いたします(金沢プロフィールはこちら)。
通所リハビリテーションは、在宅生活を支える重要な拠点です。一方で、重度者への対応や送迎業務の負担が増すなど、運営環境は厳しさを増しています。WAMの2023年度調査では、介護老人保健施設の施設類型ごとの赤字率は28.0%から45.2%となっており、経営改善は避けて通れない課題です。
利用率の低さを収益機会の損失として捉える
通所リハビリテーション基本型の利用率は56.2%で、通所介護の通常規模型の67.9%を下回っています。1日当たりの利用者数に大きな差はありませんが、基本型では定員に対して約16.4人分の空きがあります。さらに、利用者1人1日当たりの事業収益は基本型で1万1,022円と、通所介護の9,437円を上回ります。高単価のサービスでありながら利用率が低い状態は、収益機会の損失に直結します。
サービスの質を利用率向上につなげる
利用率を高めるには、利用者が日常生活で解決したい課題を把握し、個別リハビリテーションだけでなく、利用時間全体を課題解決につながるサービスとして組み立てることが重要です。生活に直結したプログラムは利用者満足を高め、その価値を地域へ発信することで、新規利用者の獲得にもつながります。
経営改善では、次の3点を一体的に進めます。
- 利用率向上:定員に対する空きを収益改善の余地として捉える
- 価値の発信:地域のリハビリテーション拠点としての役割を伝える
- 職員育成:生活課題の傾聴力、サービスの発想力、行動力を高め、利用者満足につなげる
まとめ:サービスの質を経営改善へ結び付ける
通所リハビリテーションは、利用率の改善と提供する価値(サービス)の明確化によって、単体でも収益を確保できる可能性を持つ事業です。利用率向上、価値の発信、職員育成を相互に結び付け、経営改善を進めていきましょう。
次回は、小規模多機能居宅介護の黒字化についてお伝えします。
このブログ記事は、弊社のコンサルタントが月刊誌「WAM」に執筆した記事をもとに再構成しています。WAMの調査をもとにした、通所リハビリテーション施設類型別の指標値など詳しいデータは、PDFの記事もぜひご覧ください。
(PDF)経営改善のポイント(通所リハビリテーション)
- ◆ 田中 律子 プロフィール ◆
- 2004年入社。以前のシステムエンジニアの経験より2000年に介護業界に関わったことをきっかけに、介護系事業所や介護請求システム会社を経由し、縁あって川原経営と出会い入社。福祉サービスに関する第三者現評価の業務を経て、現在は特別養護老人ホームや介護老人保健施設の戦略構想立案や経営改善、その他自治体からの研究受託などを行っている。医業経営コンサルタント資格保持者。
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