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ブログ

医療機関・福祉施設でのコミュニケーション向上委員会ブログ

Vol.8「コミュニケーションを『調和』に導くための工夫」

2019.09.24

 前回のブログ(Vol.7「コミュニケーションの落としどころは『調和』」)で、「調和」することを大切にしたコミュニケーションについてご紹介したところ、お客様からこんなコメントをいただきました。

 「調和することが大切なのはよく分かったけれど、簡単にはいかないよね」

 そう。人はそれぞれに、良い意味でのこだわりや高いこころざしを持っています。
 それは、豊かな経験や多様な感性、価値観があるからこそであり、福祉・医療の専門職であれば、利用者(患者)さんの人権や最善の利益を考えるからこそ、引くに引けないという場面があると思います。

 特に、複数の職員が関わり合い協力し合いながら進めていく仕事においては、考え方の違いや意見の食い違いは往々にしてあるもので避けることはできないものですし、コミュニケーションが活発になればなるほどそうした問題は起きやすくなるものなのです。

 でも、ここで調和を目指すコミュニケーションを諦めてしまうと、
 「自分の意見は受け入れてもらえない」
 「一方的に意見を押しつけられた」
と、不信感ばかりが前に立つ人間関係が生まれてしまうことも。

 互いの考え方意見の違いをうまくすり合わせ、調和のとれたコミュニケーションを実現していくための工夫についてご紹介します。

互いの価値観を知ることからはじめてみる

 「価値観チェックリスト」を使って、それぞれの職員が職場や仕事に対してどのような意識を持っているか確認してみるという方法があります。
 個々が抱いている価値観の優先順位を見比べながら互いの感覚を知るとともに、何故その部分を大事に思うかなど意見を交わし合う機会をつくることで、相手の考えを尊重する大切さや一体感をつくることの重要性を、改めて感じてもらうきっかけとなります。

<価値観チェックリストの例>

*図表の出所:(独)福祉医療機構 月刊WAM「コミュニケーション向上委員会」(第14回)2017年5月号「職場の信頼関係を深める②」(PDFをみる
*月刊WAM「コミュニケーション向上委員会」の連載記事は、当社ホームページの執筆記事コーナーでご覧いただけます。

*価値観チェックリストのダウンロードはこちらから。

 

意見を両面から考えてみる

 職員それぞれの意見は一見相反するもののように思えても、見方や切り口を変えて考えてみるとそれぞれに一理あって、最終的には同じ結論にいきつくということもあります。
 自分の考えへの拘りや相手の考え方への抵抗感から、相手の意見をなかなか素直に聞くということは難しいことなのですが、そうした先入観に囚われることなく、日頃から物事を両面から見て考えるクセを付けると、他者の意見を受け入れやすくなります。

 意見の相違があった場合は、問題解決や目的達成のための合理的な方法がその中に潜んでいるかどうかについて話し合います。
 いくつかの選択肢があった場合は、全員の共通理解が得られるものを優先します。また、ない場合はどのように対処したらよいかについて話し合っていくようにしましょう。

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