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介護経営のエッセンス
【介護経営の勘どころ①】なぜ今、経営改善が必要なのか?将来の資金確保という視点
介護業界を取り巻く環境は、かつてないほど厳しさを増しています。物価高騰、人材不足による人件費の上昇、そして頻繁な報酬改定。こうした外部環境の変化に翻弄されないためには、介護経営を単なる現場運営としてではなく、強固な財務基盤を築くための戦略として捉え直す必要があります。
本連載では、介護施設向けコンサルティングの視点から、経営改善の具体的なステップを解説していきます。第1回となる今回は、すべての土台となる「現状認識と経営改善の必要性」についてです。
経営改善の目的は利益だけではない
多くの経営者が「利益は出ているから大丈夫」と考えがちですが、介護経営において真に注視すべきは「キャッシュフロー(将来資金の確保)」です。介護事業を継続・発展させていくためには、以下の原資を自前で確保しなければなりません。
- 借入金の返済原資: 安定した返済は信頼の証です。
- 修繕・設備投資の積立: 老朽化対策やICT活用には多額の資金が必要です。
- リスク回避の備え: 感染症や災害、急激な稼働率低下への耐性を高める必要があります。
数字で現状を直視することから始まる
介護コンサルティングの現場で最初に行うのは、徹底した現状分析です。現在の収支が、将来の修繕計画や借入返済をカバーできているでしょうか。もし現時点で「キャッシュが残らない」状態であれば、それは現場の努力不足ではなく、経営構造そのものに課題があるサインです。
まとめ:先を見据えた「守り」と「攻め」
介護経営の改善は、決して現場に無理を強いることではありません。将来の安心を買い、職員が長く働ける環境を守るための「投資」です。まずは自社の財務指標(※)を正しく把握し、将来必要となる資金から逆算して、今取り組むべき課題を整理することから始めましょう。
次回は、稼働率が伸び悩む事業所に共通する課題を整理し、「動く組織」へ転換する具体策を解説します。
このブログ記事は、弊社のコンサルタントが月刊誌「WAM」に執筆した記事をもとに再構成しています。近年増加した費用の内訳データや、財務改善計画を実践する具体策など、さらに詳しく知りたい方はこちらのPDFもご覧ください。
(PDF)「現状認識と経営改善の必要性(将来資金の必要性)~借入返済や修繕費用、リスク回避用の原資の確保が必要~」
- ◆ 田中 律子 プロフィール ◆
- 2004年入社。以前のシステムエンジニアの経験より2000年に介護業界に関わったことをきっかけに、介護系事業所や介護請求システム会社を経由し、縁あって川原経営と出会い入社。福祉サービスに関する第三者現評価の業務を経て、現在は特別養護老人ホームや介護老人保健施設の戦略構想立案や経営改善、その他自治体からの研究受託などを行っている。医業経営コンサルタント資格保持者。
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