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ブログ

保育所経営ブログ

VOL.65「効果的な指導を行うために②」

2021.03.19

皆さん、こんにちは!

川原経営総合センターの高野橋です。

 

神林に代わり、前回から3回シリーズで、

「職員への効果的な指導を行うためのポイント」について、ご紹介しております。

 

第1回は、考え方の基本となる「指導の目的と主体」についてご紹介し、

「部下のキャリアや年代によってアプローチの仕方が変わってくる」

ことについて触れました。

前回→VOL.64「効果的な指導を行うために①」

 

第2回の今回は具体的に、「キャリア毎や年代の対象別」に発生しやすい悩みや特徴から、

効果的なアプローチ、おさえておくべきポイントをご紹介します。

 

キャリア毎のアプローチ

 

◆新卒の職員

学生から社会人になると、生活や責任の変化、

保育の理想と現実のギャップに悩みを抱えやすいため、

業務面と精神面の両面をサポートしていく必要があります。

 

●業務面のサポート

『業務の定型化(ルーティン化)』

『小まめな指示』

『進捗管理』

『基本業務や基本態度を身につけるためのOJTやマンツーマン指導』

 

●精神面のサポート

『声かけ』

『複数の指導体制を取る』

『年齢の近い先輩をメンターにつける』

 

保育の現場は1年目から担任を任されることも多く、

最初から何でもこなすことを求められてしまう傾向があります。

段階を踏んで丁寧に指導を進めていきましょう。

 

◆中堅の職員

組織の中で重要な役割を担う一方で、仕事や社会人生活の慣れから、

伸び悩みや、マンネリ、働く意欲が低下しやすい時期でもあります。

また、後輩と上司をつなぐポジションにいることもあり、

人間関係でも不安や悩みを抱えやすくなります。

 

●伸び悩み・マンネリ・意欲低下への解決策

『新しい役割を任せる(業務改善や指導育成、新しい行事企画等)』

 『外部研修への参加』

 

●人間関係の不安・悩みへの解決策

『中堅職員だけで意見交換・職場の課題等を共有する機会を設ける』

 『職場の調整的な役割が増えることを念頭に、基本業務は軽減する』

 

上記の解決策を進めていくうえで、

今後どんな保育をしていきたいか、将来についての整理やサポートをしたり

期待や役割だけを増やさず、業務状況を整理していくことが必要です。

 

中堅だからと成長を本人に任せきりにしたり、本人の問題と片付けたりせず、

難しい状況にあることを理解し、指導を行っていきましょう。

 

◆中途採用の職員(保育経験あり)

新しい環境に適応していけるかや、前の園とのギャップ等に対して、

悩みや不安を抱えることが少なくありません。

 

●ギャップにより発生する悩みや不安への解決策

『園の方針や組織のルールを伝える』

 『今までの経験業務を確認し、育成計画をたてる』 

 『前園の経験をいかせるものは前向きに取り入れていく』

 

経験があるからと、過度な期待やプレッシャーを与えたり、

分かっていると決めつけて放置したりせず、きちんと指導をしていきましょう。

 

年上の部下・後輩へ指導する際の留意点

 

『敬意をもって接しましょう』

立場上、自分が指導をする側だとしても、相手は人生の先輩です。

関係性や状況で砕けた言葉を使う場面もあるかもしれませんが、

基本的には敬語や丁寧な言葉を使用していくことで、

良好な関係性が築け、相手へ指導が伝わりやすくなります。

 

『指示は命令形ではなく「お願い」の形で伝える』

上から目線で、命令口調での指示や、

反対に、へりくだりすぎた曖昧な伝え方は、信頼関係の崩れや業務に支障が生じます。

 

<良くない言い回し例>

●命令口調での指示×

「〇〇やっておいて。」や「〇〇して下さい。」

 

●へりくだりすぎた曖昧な伝え方×

「できれば〇〇していただきたいのですが…」

→できればという言葉は、やらなくてもいいという捉え方を

されることもあり、注意が必要です。

 

<工夫した言い回し例>

●お願いの形での指示

「△△さんに○○をお任せしたいのですが、お願いできますか。」

→上記に合わせて、指示した業務の目的や期限も明確に伝えていくことが大切です。

指示は、「お願い」の形で、分かりやすく伝えてみましょう。

 

 

今回紹介したポイントを参考に、

部下個人の特性にあうアプローチ方法を考え、実践していきましょう。

 

第3回では、

「管理職から指導者へのサポート」のポイントについて考えていきます。

 

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.