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保育所経営ブログ
VOL.66「効果的な指導を行うために③」
皆さん、こんにちは!
川原経営総合センターの高野橋です。
神林に代わり3回シリーズでご紹介してきました
「職員への効果的な指導を行うためのポイント」は今回で最終回となります。
第2回では、キャリア毎や年代の対象別の効果的なアプローチについてお話しました。
第3回の今回は、指導者の育成に視点を置き、
「管理職から指導者へのサポート」についてご紹介します。
管理職から指導者へのサポートのポイント
◆園の指導方針を示し、共通理解を図る
はじめて指導をする立場になる方は、
指導すべき内容や指導の仕方など、
十分に教育や訓練を受けていないケースがみられます。
指導者になったからと言って、
すべてを任せっきりにするのは重荷になってしまいますので、
『指導マニュアル』のようなものを準備すると効果的です。
マニュアルには以下のような項目が記載されていると良いでしょう。
〇必ず伝えるべき『法人や園が大切にしていること』
〇必ず守ってもらう『法人や園のルール・決まり事・ビジネスマナー』
〇必ず身につけてもらう『業務内容と習得期間の目安』
〇指導者が『やってはいけない言動・行動』
〇管理職に即報告すべき『インシデント項目』(例:職員同士のトラブル・保護者との
トラブル・園のルール違反・メンタルヘルス不調(指導者自身を含む)の兆し、など)
現在マニュアルがない園や、作成が厳しい状況の園も、
上記のポイントを整理して、
管理職と指導者で共通理解を図ることからはじめてみると良いでしょう。
◆指導者スキルを定期的に磨く
先述のとおり、指導者になるためには、必要なスキルの習得や訓練が重要で、
これまでの「経験」だけで補えるものではありません。
・感情のコントロールが十分にできていない
・伝えるべきことをシンプルに整理できていない
・自分の思いや考えを一方的に押し付けてしまう
これらを改善していくためには、
『アンガーマネジメント』
『アサーティブコミュニケーション』
『コーチング』
『メンタルヘルス』
などを学ぶことも効果的です。
現在はオンラインセミナーなど、
様々な研修やセミナーの機会があると思います。
また、様々な書籍も参考になります。
人材育成に一定の時間と費用をかけ、
指導者のスキルを磨くことは大切なサポートの一つです。
◆心のサポート
ある保育園では、管理職と指導者との定期面談だけでなく、
『指導者同士で話す機会を設ける』取り組みをしています。
近い境遇同士のため、悩みを相談しやすいというメリットがあります。
管理職としてのサポートは、直接的に相談を聴く以外にも、
立場や年代が近い職員同士がコミュニケーションをとる
機会や仕組みを設定することも心のサポートの一つにつながります。
◆管理職はじっくりと見守る
管理職が指導者を差し置いて、
指導者の部下を指導しすぎてしまうケースがあります。
管理職自身が自分で伝えた方が早い
指導者へ任せられない
ということが理由としてあげられます。
しかし、必要以上の介入は、
指導者の成長につながらないだけでなく、
指導者の自信やモチベーションを下げてしまう要因になりかねません。
明らかに問題がある
緊急性がある
管理職が指導・指示した方が良い
などの場面を除いては、
じっくりと見守る姿勢が重要になります。
ご紹介した取り組み以外にも、
『指導者の現場業務の負担を軽減する』、
一般職同様に『休暇取得や定時での退勤を促進する』など
園の仕組みや環境の整理が不可欠です。
効果的な指導は、保育園全体の質向上・職員の定着につながっていきますので、
今回のお話が皆様のお悩みや課題の解消のヒントにつながれば嬉しいです。
高野橋(保育士)

- ◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
- 人事コンサルティング部 部長。保育園、老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。施設での経験を活かしたいという想いをもって2012年に川原経営に入社。保育所・介護施設等を運営する社会福祉法人の給与・人事考課・研修の制度構築支援に従事。その他社会福祉法人の設立・合併・事業譲渡支援など、医療・福祉経営に関する幅広いコンサルティングを行っている。
保有資格:行政書士・保育士・社会福祉士
著書:「地域に選ばれる特別養護老人ホームの作り方」「介護ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」
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