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保育所経営ブログ
VOL.65「効果的な指導を行うために②」
皆さん、こんにちは!
川原経営総合センターの高野橋です。
神林に代わり、前回から3回シリーズで、
「職員への効果的な指導を行うためのポイント」について、ご紹介しております。
第1回は、考え方の基本となる「指導の目的と主体」についてご紹介し、
「部下のキャリアや年代によってアプローチの仕方が変わってくる」
ことについて触れました。
第2回の今回は具体的に、「キャリア毎や年代の対象別」に発生しやすい悩みや特徴から、
効果的なアプローチ、おさえておくべきポイントをご紹介します。
キャリア毎のアプローチ
◆新卒の職員
学生から社会人になると、生活や責任の変化、
保育の理想と現実のギャップに悩みを抱えやすいため、
業務面と精神面の両面をサポートしていく必要があります。
●業務面のサポート
『業務の定型化(ルーティン化)』
『小まめな指示』
『進捗管理』
『基本業務や基本態度を身につけるためのOJTやマンツーマン指導』
●精神面のサポート
『声かけ』
『複数の指導体制を取る』
『年齢の近い先輩をメンターにつける』
保育の現場は1年目から担任を任されることも多く、
最初から何でもこなすことを求められてしまう傾向があります。
段階を踏んで丁寧に指導を進めていきましょう。
◆中堅の職員
組織の中で重要な役割を担う一方で、仕事や社会人生活の慣れから、
伸び悩みや、マンネリ、働く意欲が低下しやすい時期でもあります。
また、後輩と上司をつなぐポジションにいることもあり、
人間関係でも不安や悩みを抱えやすくなります。
●伸び悩み・マンネリ・意欲低下への解決策
→『新しい役割を任せる(業務改善や指導育成、新しい行事企画等)』
『外部研修への参加』
●人間関係の不安・悩みへの解決策
→『中堅職員だけで意見交換・職場の課題等を共有する機会を設ける』
『職場の調整的な役割が増えることを念頭に、基本業務は軽減する』
上記の解決策を進めていくうえで、
今後どんな保育をしていきたいか、将来についての整理やサポートをしたり
期待や役割だけを増やさず、業務状況を整理していくことが必要です。
中堅だからと成長を本人に任せきりにしたり、本人の問題と片付けたりせず、
難しい状況にあることを理解し、指導を行っていきましょう。
◆中途採用の職員(保育経験あり)
新しい環境に適応していけるかや、前の園とのギャップ等に対して、
悩みや不安を抱えることが少なくありません。
●ギャップにより発生する悩みや不安への解決策
→『園の方針や組織のルールを伝える』
『今までの経験業務を確認し、育成計画をたてる』
『前園の経験をいかせるものは前向きに取り入れていく』
経験があるからと、過度な期待やプレッシャーを与えたり、
分かっていると決めつけて放置したりせず、きちんと指導をしていきましょう。
年上の部下・後輩へ指導する際の留意点
『敬意をもって接しましょう』
立場上、自分が指導をする側だとしても、相手は人生の先輩です。
関係性や状況で砕けた言葉を使う場面もあるかもしれませんが、
基本的には敬語や丁寧な言葉を使用していくことで、
良好な関係性が築け、相手へ指導が伝わりやすくなります。
『指示は命令形ではなく「お願い」の形で伝える』
上から目線で、命令口調での指示や、
反対に、へりくだりすぎた曖昧な伝え方は、信頼関係の崩れや業務に支障が生じます。
<良くない言い回し例>
●命令口調での指示×
「〇〇やっておいて。」や「〇〇して下さい。」
●へりくだりすぎた曖昧な伝え方×
「できれば〇〇していただきたいのですが…」
→できればという言葉は、やらなくてもいいという捉え方を
されることもあり、注意が必要です。
<工夫した言い回し例>
●お願いの形での指示
「△△さんに○○をお任せしたいのですが、お願いできますか。」
→上記に合わせて、指示した業務の目的や期限も明確に伝えていくことが大切です。
指示は、「お願い」の形で、分かりやすく伝えてみましょう。
今回紹介したポイントを参考に、
部下個人の特性にあうアプローチ方法を考え、実践していきましょう。
第3回では、
「管理職から指導者へのサポート」のポイントについて考えていきます。

- ◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
- 人事コンサルティング部 部長。保育園、老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。施設での経験を活かしたいという想いをもって2012年に川原経営に入社。保育所・介護施設等を運営する社会福祉法人の給与・人事考課・研修の制度構築支援に従事。その他社会福祉法人の設立・合併・事業譲渡支援など、医療・福祉経営に関する幅広いコンサルティングを行っている。
保有資格:行政書士・保育士・社会福祉士
著書:「地域に選ばれる特別養護老人ホームの作り方」「介護ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」
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