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福祉施設開設支援

医療法人が展開する地域に根差した医療・保健・福祉・介護への包括的な取り組み

社会福祉法人忠黎会 特別養護老人ホーム『鶴ヶ島ほほえみの郷』

 本記事では、医療法人社団満寿会(埼玉県鶴ヶ島市)の医療介護への包括的な取り組みをご紹介します。医療法人社団満寿会では、介護老人保健施設鶴ヶ島ケアホームを中心に、関連施設である耳鼻咽喉科診療所、在宅医療診療所、診療所デイケア、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションぺんぎん(訪問介護)、地域包括支援センターと包括的な地域づくりを目指しています。この度、2015年に、社会福祉法人忠黎会を設立し、特別養護老人ホーム『鶴ヶ島ほほえみの郷』を開設されました。

取材時期:2017年10月

特別養護老人ホームを始められようと考えたきっかけについて、教えて下さい。


医療法人社団 満寿会・社会福祉法人 忠黎会
理事長 小川郁男 先生

 現在わが国は、国民の4人に一人が65歳という超高齢社会を迎えており、今後も早いスピードで高齢者人口が増加することが予測されています。介護保険制度下では、利用者さんの在宅支援重視の観点から、在宅ケアを求められますが日本の家庭環境、住宅事情から心身に障害のある高齢者、特に認知症高齢者等を在宅にてケアすることは非常に難しい状況にあります。

 この状況を鑑み、終の棲家と位置付けられている特別養護老人ホーム(以下、特養)の必要性を強く感じ、地域貢献と安心・安全の地域づくりのために2017年に開設しました。


社会福祉法人 忠黎会 概要
特別養護老人ホーム 鶴ヶ島ほほえみの郷

2017年4月に開設 定員80名(ユニット型全室個室型)
同年10月に地域密着型デイサービス(定員12名)デイサービスほほえみを開所

医療法人社団 満寿会 概要
鶴ヶ島耳鼻咽喉科

1982年開設
通所リハビリステーション(短時間型)
地域包括支援センターぺんぎん(鶴ヶ島市委託事業)

鶴ヶ島在宅医療診療所

2003年に開設 鶴ヶ島ケアホームに隣接
内科、外科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科。訪問診療、訪問リハビリ、訪問看護等を提供し24時間対応が可能。耳鼻咽喉科往診あり。糖尿病特別外来、睡眠障害外来(睡眠時無呼吸症)あり。

介護老人保健施設 鶴ヶ島ケアホーム

1993年に開設 定員108名(一般棟58床、認知専門棟50床)
・通所リハビリテーション(デイケア)定員92名
・ヘルパーステーションぺんぎん
・鶴ヶ島訪問看護ステーション

設立に向けての準備で、特にこだわった点を教えてください。

 ハード面では、居住スペースは木のぬくもりが感じられ、採光が十分に行き届く設計としました。また、1階には、特養・デイサービスの利用者に加え、地域住民がイベントを開催できるレクリエーションスペースを設けています。多くの方に、ほほえみの郷の家庭的な雰囲気に触れていただきたいと思っています。


 ソフト面では、医療法人と社会福祉法人の連携のメリットを活かせるようにしました。母体の医療法人は、耳鼻咽喉科診療所、在宅医療診療所や介護老人保健施設などを運営し、医療と高齢者福祉の双方において地域に根付いています。そういった医療法人が母体の新設特養だからこそ、地域の方々から期待される面も大きいです。円滑に連携できるように合同のミーティングや研修は定期的に行っています。


医療法人と社会福祉法人の連携メリット

merit

1

医療依存度の高い利用者を医療現場と介護現場が一丸となってケア(利用者の急変時には即グループ内の医療機関と連携が図れること等、利用者の安心を確保)

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2

医療、介護職員等のタイムリーな人事異動が可能(特養におけるスムーズな看取りが可能。母体施設の老健からは看取り経験豊富な職員が特養へ異動)

merit

3

医療法人運営による訪問看護ステーションが基点となり、医療と介護のつなぎ役を担うことで、地域が必要とし、望んでいる医療介護両面の情報提供が可能。

設立前後で、苦労された点はありますか?

 まず、施設を建てるための土地がなかなか見つからず、吉田相談役、小鷹事務長が市内を探しまわり、さらに市役所に何度も足を運びました。そして、鶴ヶ島ケアホームから車で10分弱ほどの位置に候補地がみつかりました。敷地は少し変わった形状をしていて、尚且つ少し傾斜がありました。そのため、設計段階でどのようなユニットの構成にするか現場で働く職員の意見も交えて、時間をかけて検討しました。職員の動線、法令基準、コストのバランスを考えることが大変でした。設計士さんからのアドバイスを中心に、川原経営さんの意見も参考に、意見を集約していきました。また、出来上がった図面をもって、近隣住民の方々に説明をするのにも時間を要しました。これだけの規模の建物になりますので、当初は全員が大賛成というわけではありませんでした。話し合いを重ねながら私たちの医療福祉に対する思いをご理解いただき、お陰様で今では良い関係が築けていると思います。

 川原経営さんにお願いして良かったと感じたのは、開業手続き、会計、人事とそれぞれの専門分野に精通された方々がトータルでサポートしてくれた点です。困ったことがあったら何でも相談できるパートナーがいる、というのは本当に心強いです。

将来の展望について、教えてください。

地域に開放された信頼される施設を目指して

 利用者さんが納得する人生を迎えられるように追求したいと考えています。特養は「生活の場」であり、「終の棲家」でもあります。利用者さんの尊厳とプライバシーを守りつつ、可能な限り自立した日常生活を営むことができるよう健康管理と安全面にきめ細かく対応、支援します。また、世間では特養に対して、「閉鎖された場所」というイメージを抱いている部分もありますので、開放された信頼される施設となるためにも「地域に開放された介護施設」の使命を果たすことが必要です。そのために、レクリエーションルームを地域住民の催しや習い事などへ開放したり、地域の福祉相談窓口機能を担う等地域支援のお手伝いをします。

 更には下記についても積極的に推進します。

看取りの推進
生活の場、終の棲家と位置づけされている特養で、最後を迎えることを望む利用者が増えることに対応します。
子育て支援の推進
社会福祉法人の機能を生かし、保育園等の設置も視野に入れ、地域の女性が働きながら子育てできる環境づくりに努めます。
障がい者支援の推進
障がい者が主体性、自主性を確保し、社会活動に積極的に参加できるように障がい者と高齢者の双方のニーズに応える一体的な支援に努めます。
青少年の教育、育成
青少年に対して、自分が住む地域に誇りと郷土愛を持ち、高齢者を敬い、差をなくす社会を目指し、他人を思いやる心を育み、心に夢を抱き、物事に感動する人間を育成していく環境づくりに努めます。

職員にやりがいのある職場環境の提供

 一緒に働く職員がやりがいを持って働ける環境を提供したいと考えています。特養の管理職クラスは母体の医療法人から異動しました。設立手続きに加え、グループ全体の人事管理について川原経営さんにサポートしてもらえたのはとてもよかったです。将来的には職員が法人間を異動できるようにしたいです。介護業界は離職率が高いと言われています。働き方の選択肢と、自己成長の機会が増えることで、職員がライフスタイルに合わせて働けるような環境を提供したいです。

今後、パートナーとしての川原経営に望むことはありますか?

 これからも地域福祉の拠点としての社会福祉施設と行政と多職種が連携を密にし、共同して地域福祉を推進していきます。いろいろな問題を抱えている住民に、柔軟でスピーディに対応できる環境をつくっていきたいです。そのために、川原経営さんからは業界動向など幅広い情報を基にアドバイスをいただきたいです。

 私は鶴ヶ島市出身で、この地元に育ててもらったことをとても感謝しています。地域のために医療介護に関わっていくことが役割だと思い真摯に取り組みたいです。

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