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セミナー開催報告
ダブル改定に向けて ~ 次期診療報酬改定と医療介護の連携 ~ 特養開設、医療介護連携強化のためのポイント
3月4日、弊社主催セミナーで「ダブル改定に向けて~次期診療報酬改定と医療介護の連携、特養開設、医療介護連携強化のためのポイント~」と題し弊社病院コンサルティング部、経営コンサルティング部の3名が講演を行いました。
第一部 「ダブル改定前夜 平成28年度 診療報酬改定動向」
病院コンサルティング部 副部長 長岡秀和
今回改定は、基本点数の増減は少ないものの地域包括ケアの推進と医療機能の分化・強化・連携に向けて算定要件が強化されました。例えば、7:1病棟の在宅復帰率が75%以上から80%に引き上げられたことや、在宅強化型有床診療所の評価がなされるなど、病院からの在宅復帰の促進策が講じられています。今後、医療依存度の高い患者・利用者の退院が促進されることが予想され、受け皿となる介護施設でも病院の置かれた状況をも見据えた経営対応が必要です。なお、病院においては、地域における自院のポジショニングを明確にすることが求められます。また、病院の機能を患者さんに示していくために、今後の機能選択や改定内容への対応の戦略看護師、事務、ケースワーカーなど様々な職種全体に向けて認識させることも重要です。
第二部 「社会福祉法人と特別養護老人ホームの開設~実践事例紹介~」
経営コンサルティング部門 神林佑介
医療法人からの資金寄付や医療法人の事業の譲渡の事例を踏まえて社会福祉法人の設立ポイント、留意点についての説明を行いました。
今後、特別養護老人ホームに対する需要が高まっていくと考えられます。新設であっても、医療介護事業の実績のある医療法人は医療連携が期待できるという点から審査に有利なため、参入しやすいです。医療法人が社会福祉法人を設立するメリットとして、グループ名での包括的なサービスの確立やグループのブランディングがあげられます。社会福祉法人を設立する要件としては実効性の高い事業計画があるか、必要な資産要件を満たしているかなどがあります。
<近年弊社がご支援した事例(抜粋)>
・A市:社会福祉法人(社会福祉事業団)開設
・医療法人B:社会福祉法人設立・地域密着型特別養護老人ホーム開設
・医療法人C:社会福祉法人設立・特別養護老人ホーム開設準備中
・医療法人D:社会福祉法人設立・地域密着型特別養護老人ホーム・小規模多機能ホームなど複合型施設開設
・医療法人E:認知症対応型グループホーム開設
・医療法人F:社会福祉法人設立・特別養護老人ホーム開設準備中
・社会福祉法人G:特別養護老人ホーム開設準備中
・株式会社H:社会福祉法人設立・地域密着型特別養護老人ホーム開設
・株式会社I:社会福祉法人設立・特別養護老人ホーム開設
第三部「退院患者を支える介護事業展開」
経営コンサルティング部門 地域包括ケア推進グループ シニア・コンサルタント 田中律子
診療報酬改定において、病院の退院支援に関する評価が大きく見直され、医療依存度の高い利用者の状況に応じたサービスにより多様な療養支援を行うことができる「看護小規模多機能型居宅介護」に注目が集まると考えられます。
これは通所、泊まり、訪問介護を行う小規模多機能型居宅介護に訪問看護を加えた整備であり、介護保険で制度化されています。重症度、医療・看護必要度のB項目に含まれた認知症患者の受け皿として円滑な退院の支援が期待できます。また、維持期のリハビリを介護保険へ移行させるという前提で見直しが行われているため、今後は訪問看護ステーションが基点となり医療と介護のつなぎ役を担っていく可能性があります。介護保険におけるリハビリテーションの方向性としては、心身機能の回復にとどまらず自立や社会への参加など生活により密着するものです。訪問系事業の経営特性を職員に認識してもらうことが求められます。次のダブル改定に向けて医療と介護の連携、一体化がさらに進められていきます。自助の力を養い、機能をどれだけ次の機関に任せられるかが重要となっています。