政府は介護分野を今後有望な産業分野と位置付けています。しかし、介護保険制度は、サービスが定着する一方で財源問題などの課題が山積みです。本書は、介護・福祉業界全体を俯瞰しつつ、介護保険制度や業界の最新動向、サービスの問題点や今後の展望、関連事業者を図やイラストを使ってわかりやすく解説します。介護事業への参入を考えている方、介護業界で働いてみたい方、介護サービスを受ける方、それぞれのお役に立つ最新情報が満載です。

＜本書の構成＞

第１章 介護ビジネスを取り巻く環境
1-1 かつてない人口減少社会がやってくる
1-2 人口構造の変化は何をもたらすのか
1-3 「高齢者」の定義を変えることが鍵
1-4 今後の医療・介護と社会保障
1-5 介護ビジネスの歴史を読み解く
1-6 介護保険制度の目的と現状
1-7 超高齢社会を支える制度・施策の動き
1-8 事業者の視点でのマーケティング
1-9 介護人材確保に向けた国の施策動向
1-10 介護ビジネスと行政との関係性
1-11 地域性を考慮したビジネス展開
コラム 何歳から高齢者？高齢者はどう思っているか

第2章 介護ビジネスの根幹をなす介護保険制度
2-1 介護市場における競争原理の導入
2-2 標準的なサービス利用の流れ
2-3 利用者が支払う費用と介護報酬
2-4 サービス利用の支給限度額と負担額
2-5 介護保険で利用できるサービス
2-6 介護サービス事業者の運営主体
2-7 介護サービス事業者の収支構造
2-8 介護保険サービス事業者の経営状況
2-9 介護保険制度の改正の歴史
2-10 二〇一八年介護保険法改正のポイント
2-11 介護保険制度の将来について
コラム 社会福祉法人制度と事業の差別化

第3章 介護ビジネスの全体像
3-1 介護ビジネスから生活ビジネスへ
3-2 地域包括ケアの前提は「住まい」
3-3 お泊まりサービス（ショートステイ）
3-4 ケアマネの質が問われる医療系プラン
3-5 リハビリテーション（医療連携の柱①）
3-6 看護と介護（医療連携の柱②）
3-7 看取りと「人生会議」（医療連携の柱③）
3-8 眠らない二四時間サービスの行方
3-9 （看護）小規模多機能型居宅介護
3-10 生きがいは、口から食べること
3-11 高齢者の栄養管理の必要性
3-12 認知症ケアの中心「服薬管理」
3-13 高齢者の楽しみ「入浴サービス」
3-14 移送サービスと配達サービス
コラム 介護報酬改定のたびに厳しい引き下げデイサービスのこれから

第4章 介護ビジネスが抱える課題
4-1 さまよえる高齢者の行方
4-2 家族介護の負担は軽減されたのか
4-3 相次ぐ介護報酬の不正請求
4-4 育たない市場原理
4-5 増える認知症高齢者と新しい施策
4-6 介護ビジネス、こんなはずでは…
4-7 政府の最低賃金引き上げ方針
4-8 介護労働人材不足とＥＰＡ
4-9 介護労働人材不足と技能実習制度
4-10 外国人介護人材受入れの仕組みの全体像
4-11 高齢者の医療・介護に欠かせぬ視点
コラム 介護サービス経営者が直面した「こんなはずじゃなかった」

第5章 介護ビジネス業界の最新動向
5-1 社会福祉協議会のこれまでとこれから
5-2 介護の未来に向けた挑戦…ＡＩ・介護ロボットの活用（善光会）
5-3 在宅生活の総合力を高める（リフシア）
5-4-1 介護ビジネスのはじめ方①社会福祉法人の場合
5-4-2 介護ビジネスのはじめ方②株式会社の場合
5-5-1 地域の医療・保健・福祉・介護への包括的な取り組み（忠黎会）
5-5-2 東日本大震災を機に気仙沼市で開設（介援隊）
5-6 介護と子どもの感動を（エルフィス）
5-7 グループ医療法人との事業連携により、医療、福祉のネットワークを構築（泰仁会）
5-8 医療機関における看取りへの対応ＡＣＰへの取り組み（高橋病院）
コラム 介護事業者で働く際のポイント

第6章 介護ビジネスの未来
6-1 介護ビジネスマーケットの未来
6-2 高齢者は何にお金を使う？
6-3 地域コミュニティ拠点のサ高住
6-4 高齢者移住とＣＣＲＣ、新たな地域共同体
6-5 医療・社会福祉法人の連携、統合、大規模化
6-6 配食サービス（高齢者向けサービス①）
6-7 移送サービス（高齢者向けサービス②）
6-8 見守りサービス（高齢者向けサービス③）
6-9 高齢社会の新たなビジネス、エンゼルケア
6-10 介護の担い手、ロボットスーツＨＡＬ（Ｒ）
6-11 トラベルヘルパー（介護力アップ①）
6-12 福祉レクリエーション・ワーカー（介護力アップ②）
6-13 音楽療法士（介護力アップ③）
6-14 ドッグセラピー（介護力アップ④）
6-15 金融機関の融資のトレンド
コラム 災害や超高齢化社会における地域カルテの必要性

資料編
1 未来に向けた政府の取り組み
2 介護人材確保の状況と労働市場
3 地域包括ケアシステム