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介護経営のエッセンス
第2回 自事業の傾向を把握する①
皆様、こんにちは。川原経営総合センターのシニアコンサルタントの田中律子です。
今年度は、研修やセミナーが、集合型から軒並みオンライン化されています。埼玉県から当社が受託している「看取り体制強化事業」も、今年度はオンラインセミナーでの提供です。申込者の多くは施設研修で活用する前提としており、多職種が同じ情報をもとに学べるオンラインセミナーのメリットを活用している様子が伺えます。今後、介護事業者においても、インターネットの活用度合いにより、急速に情報格差が生まれると感じています。
さて、今年度も既に前期が終了し、自法人の経営の影響を客観的に捉え、今期の見通しを立てる時期が近づいてきています。今回は、経営状況について、自事業の傾向を考えてみましょう。
福祉医療機構が実施した「社会福祉法人経営動向調査」において、コロナ禍においても、特養では約75%が前年度と同様の収入が得られていると回答しています。しかし、併設の短期入所や通所介護では、事業所により影響度にばらつきが生じており、拠点単位では前年度同月と同程度は、約60%に留まっています。さらに翌月には、約半数が前年度同月を下回ると回答しています。
私の訪問先のお客様の傾向では、4月のサービス提供を底として、特例算定の効果もあり、8月の段階では前年度と同程度の収入に回復してきています。上記の福祉医療機構のデータも参考にしつつ、私見では入所は前年度と同程度、短期入所や通所介護ではサービス量の減少を1割減までを許容範囲と考えています。財務面への影響が許容範囲から大きく乖離している場合は、急激な環境変化に対応できていない現象と捉えることができます。今が正念場と捉え、社会的役割はもちろんのこと、経営判断においてお金を生むことができるかを意識して、取り組むことが重要です。
今年度も残すところ半年ですが、前年度と同程度の収入額を目標として、感染対策の周知徹底や利用者への細やかなアプローチを中心としつつ、政府の新型コロナ感染症対策の支援策、補助金などを効果的に活用し取り組んでいきましょう。
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次回(来月)は、自事業の傾向を把握する②についてご紹介します。
本コーナーの内容には筆者の個人的な見解が含まれています。ご意見、ご質問等は、介護経営戦略グループまでご連絡ください。