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医療が活きる、介護が活きる、つながりヒント
VOL.14 モチベーションを高くする 病院機能評価受審準備に向けたスケジュールの組み立て方
皆さま、こんにちは。
川原経営総合センターの遠藤です。
病院機能評価の受審準備について、これまで2回にわたり、次のようなポイントをお伝えしてきました。 まず、受審準備では「何を」「誰が」「いつまでに」を明確にすることが重要。 特に「誰が」の部分については、複数の部署が関与する評価項目があるため、約90項目の評価要素ごとに担当部署や担当者を決め、責任感を持って進める必要があります。 今回のテーマは、病院機能評価受審のためのスケジュールの組み立て方です。病院機能評価の受審準備、どこから手をつければよいか迷った経験はありませんか?病院機能評価受審準備を1年前から始めるのであれば、次の3つの期間に分けて計画を立てると効率的です。
1.現状分析期(12か月前~10か月前)
現状分析期は、受審準備のスタート地点です。院内の状況を把握し、評価基準とのギャップを明確にする重要な期間です。まず、「病院機能評価機能種別版評価項目解説集」を確認しましょう。各項目の文章の文末表現が「高く評価される」「すべきである/しなければならない」などの表現がありますが、優先すべきは「すべきである/しなければならない」の部分です。これらの項目は必須条件であり、対応を後回しにすると準備が間に合わなくなる可能性があります。
また、解説集の右ページには、「C評価となり得る状況」という欄があります。もしその欄に該当する状況があれば、ここから優先的に対応を始めましょう。たとえば「1.1.1 患者の権利を明確にし、権利の擁護に努めている」という項目では、C評価となりうる状況(例)として「患者の権利が擁護されていない」と記載されています。皆さまの病院ではいかがでしょうか?患者の権利の擁護のために、説明と同意、医療に関する情報の提供など、各病院で取り組まれていることがあるはずです。もしすぐに思いつかないのであれば、この機会に確認してみましょう。
2.改善期(9か月前~2か月前)
改善期は、現状分析で明らかになった課題に取組み、「具体的な成果」を形にする期間です。部署間連携が鍵となります。
プロジェクトチームで進捗状況を定期的に確認し、遅れが出ている場合は原因を共有しながら解決を図りましょう。
この期間の後半には、自己評価調査票や現況調査票の作成が始まり、業務量が増えてきます。このような業務をスムーズに進めるためにも、早めの計画と調整が鍵です。
また、訪問審査を想定したカルテレビューや病棟ラウンドも行います。本番同様に実践してみると、見落とししている箇所の発見や点検の効果もあります。
3.直前期(2か月前~訪問審査当日)
直前期は、院内全体で仕上げの体制を整えていく段階です。これまでの改善を継続しながら、訪問審査当日の準備を進めます。当日のスケジュール確定や環境整備、ケアプロセスの症例検討などです。
また、院内全体の士気を高めるため、朝礼や会議などで、院長先生が受審への期待や取り組みへの感謝を伝えるとともに、部署ごとの進捗を簡単に共有する時間を設けると、受審に向けた一体感が高まります。
まとめ
病院機能評価の受審準備は、病院全体の「棚卸し」を行う貴重な機会です。現状分析期での課題発見、改善期での具体的な取り組み、直前期での仕上げと段階を踏むことで、スムーズな受審準備が可能になります。
根拠もなく、「後から挽回できる」と考えるのは危険です!病院機能評価を「改善のきっかけ」にするためにも、着実に準備を進めていきましょう。
スケジュールの作成にお困りの場合や、具体的な進め方についてのご相談は無料で承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

- ◆ 遠藤 愛 プロフィール ◆
- 病院コンサルティング部所属。社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士。一般企業の営業職から訪問介護事業所での勤務を経て、二次救急病院(一般病棟・地域包括ケア病棟)の医療ソーシャルワーカーになる。様々な支援に関わるやりがいを感じながらも、「患者さん・家族の支援には病院の体制が重要」と痛感し病院経営支援の道を志した。現在は病院運営全般支援業務、病院機能評価受審支援を主に業務を行っている。
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