ブログ
医療が活きる、介護が活きる、つながりヒント
Vol.12 病院機能評価受審準備で担当者を明確にする効果
前回のブログで、「受審準備を始めたがうまく進まない」というお悩みに、「複数の部署での対応が必要な項目もあるため、担当者を明確にする必要性」をお伝えしました。
この担当者制がうまくいくと、①人的交流が活発化することから、②他部署の業務内容を把握し相互理解が深まり、③協働の取組みにつながるという流れにまで発展する可能性があります。
一人の担当者に1つの項目は大きすぎる?
ここで、ある病院の実際を紹介します。
この病院では、約90項目の評価の要素ごとに担当部署・担当者を決めました。
例えば、「2.2.1 来院した患者が円滑に診察を受けることができる」の項目は、患者の受診受付、紹介患者の受入れ、待ち時間を少なくするための取組み、患者の急変時対応などの6つの評価の要素があります。多くの病院では、1部署(主に医事課)で担当します。本来であれば、待ち時間については看護部(外来)や医師で検討する部分にも医事課が介入することになり、医事課が対応できない部分は誰が担当するのかという問題が生じかねません。そこで、できる限り細かく担当者を明確にしたというわけです。
その結果、担当者同士がプロジェクトチーム内ではなく、分科会で業務効率化について議論しました。例えば、午前中の繁忙時に紹介状持参の患者には地域医療連携室が案内を行う、問診票をタブレット入力に変更して医事課・外来看護師の業務負担を減らす、受診までの待ち時間が長くなる日には、外来看護師が待合い室を定期的にラウンドし患者からの質問に対応したり、急変の予兆がないかを確認したり、医師と状況共有をするといった改善を実施しました。
キーワードは、担当者を明確にすることによって生まれる「責任感」
担当者をおおまかに決めて、後々対応できる人が不在になるよりも、項目を細分化し担当者を明確にして責任を持って対応させるのです。
もっと小さい単位での改善活動はよく見られます。病院機能評価受審準備をきっかけに、こうした改善活動が起こりやすいです。
ご参考までに、評価の要素ごとの担当者を一覧表にする場合は、病院機能評価受審申込後に日本医療機能評価機構からデータが提供される「自己評価調査票(受審準備用)」のご活用をお勧めします。Excelで作成されていますので、少し手を加えれば担当者・部署名も入力しやすくなるでしょう。
次回は、前回と今回のまとめとして、モチベーションを高くするためのスケジュールの組み立て方についてお伝えします。
CONTACTお問い合わせ
ご相談・資料請求など、
メールフォームよりお気軽にご連絡ください。