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医療が活きる、介護が活きる、つながりヒント
Vol.10 離職防止の一案?「ありがとう」の積み重ね
皆さま、こんにちは。川原経営総合センターの遠藤です。
来る3月9日はサンキューの日です。今回は、職場での「ありがとう」の効果についてお伝えしたいと思います。
さまざまな病院を訪問していると、職員同士お互いの気持ちのすれ違いが多いと、
部門のみならず病院への不満につながりやすいと感じています。
そういった問題の解決のために、お互いに感謝を伝え合う取り組みをされている病院をおみかけします。
ITツールを活用する方法もあれば、手作り感を重視し装飾したボードに書き込む方法もあります。
ある病院では、職員がお互いへの感謝の気持ちやよい行動を小さな付箋に書き、
ホワイトボード上の職員の名前が書かれたマグネットの下に貼付するシンプルな仕組みを運用されています。
もともとその病棟は離職率が高く、
言葉の受け渡しを増やすことで居心地のよさを改善しようと始めたのだそうです。
気軽・手軽が続くコツ
内容は、「処置手伝ってくれてありがとうございました。」や
「〇〇さんの研修、分かりやすかったです!」など、とてもフランクです。
1分もあれば多色ボールペンを使って華やかなメッセージも作ることができそうです。
この取組みのよいところは、SNSのいいね!ボタンを押すぐらいの気軽さです。
急性期病棟などは業務に追われ、「ありがとう」の一言すらタイミングを逃しやすいことや、
シフト制で顔を合わせることも週に何回かという環境下で、ふと思い出した時に自分の気持ちをさっと付箋で伝えることができます。
「ありがとう」と言われた方も嬉しいですが、伝える側も心が温かくなるものです。
双方向でプラスの感情を伝えあうからこそ、お互いを認めあえる環境になったのでしょう。
結果的に離職率も減少したそうです。
「ありがとう」は何のため?
「職員へのありがとう」の視点では、業務改善活動などで職員を表彰している病院もおありになるでしょう。
組織から職員に「ありがとう」を伝える場面や制度も色々あります。
今日お伝えしたいのは、日々の小さなことでもお互いを承認しあう重要性です。
日常的に職員が穏やかに仕事できる環境になるように工夫したいのであれば、
職員自身の一番小さな所属単位での取り組みが効くでしょう。
「職員がなかなか改善のために動いてくれなくて困っているんだ。」というお話を伺った時には、
経営幹部の方々に職員への感謝が足りているか、お尋ねすることがあります。
小さな「ありがとう」も重ねると、大きな塊となり職場改善につながります。
こんな風に考えていくと、皆さんも周りに「ありがとう」を伝えたくなってきませんか?
今さら照れくさいですか?その気持ちも「ありがとう」が増す妙味です。