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医療が活きる、介護が活きる、つながりヒント
VOL.8 院内会議での「何でも意見を言ってほしい」
皆さま、こんにちは。
川原経営総合センターの遠藤です。
今年も残すところあと1か月となりました。
新聞報道では、新型コロナの5類移行を受けて忘年会を再開する企業、
引き続き行わない企業、さまざまなようです。
皆様の病院ではいかがでしょうか?
さて、本日は院内の会議についてお話ししたいと思います。
会議での一コマ
「課題に思っていることがあったら何でも言ってください。」
多くの病院で、良く聞かれる言葉だと思います。
しかし、その実、何でも言ってもいいという割には、“言わせない雰囲気(ないよね、という確認の雰囲気)”になっていませんか。
リーダーの立ち振る舞いで職員が心理的安全性を感じられなかったり、
リーダーが“俺が全て知っている”というような態度をとっていたりすると、
いざ情報が必要な時にも、会議で何の発言もでないものです。
さまざまな病院に伺っていて感じることは、
患者さんからも職員からも信頼を集める医師ほど、“自分が何でもできるわけではない”という姿勢を醸し出され、
各職種の専門性を重んじられます。例えば、褥瘡の治療には、継続的なケアが必要ですので、
先生方も患者の環境に合わせた提案ができる皮膚・排泄ケア認定看護師に頼るのです。
目線を合わせてくれる。情報や関心を寄せてもらえる。
そうすれば、お返ししたくなるものが人間だと、私は思っています。
立場や役職以前に、同じ医療専門職、同僚としての尊重があれば、普段からおのずと協力関係が生まれるものだと思います。
問題解決できる病院のコミュニケーション
ある病院の事例をご紹介します。
病院機能評価の認定取得に向けた各部門のトップを集めたプロジェクトがあります。
プロジェクトリーダーは副院長です。その先生はアサーティブなコミュニケーション
(相手の立場や意見を尊重しつつ、自分の主張を正確に伝える表現方法)が上手で、
“自分の部門でもこういうことがあって困っている”という自己開示もされ、一緒に悩む姿勢を出されます。
認定取得に向けたプロセスでは、部署間の業務の振り分けなどで一時的に我慢を強いられることもあります。
看護部と薬剤部でピリッとするような議題が出る時も、
“そういうやり方もあるね”と対立を生まないように議論を進めてくださいます。
これがうまくいかないと、横のつながりも作れず、病棟ごとで考え方がバラバラのまま、
プロジェクトもうまくいかないことになります。これは病院全体の不利益となります。
プロジェクトリーダーには、議論を進めることが上手な方を任命されると良いと感じています。
院内会議で「なんでも言ってほしい」と問いかけた時に何の意見も出なかったとき、
院内が“言ってはいけない”雰囲気になってないか、
あきらめ感が職員の中に生まれていないか、自省されてみてはいかがでしょうか。

- ◆ 遠藤 愛 プロフィール ◆
- 病院コンサルティング部所属。社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士。一般企業の営業職から訪問介護事業所での勤務を経て、二次救急病院(一般病棟・地域包括ケア病棟)の医療ソーシャルワーカーになる。様々な支援に関わるやりがいを感じながらも、「患者さん・家族の支援には病院の体制が重要」と痛感し病院経営支援の道を志した。現在は病院運営全般支援業務、病院機能評価受審支援を主に業務を行っている。
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