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保育所経営ブログ
VOL.70「保育園における定年見直しの留意点① ~勤務延長制度~」
皆さん、こんにちは!
川原経営の神林でございます。
保育園の経営者様から弊社にお寄せいただくご相談の内容は様々ですが、
時期によって一定の傾向がみられます。
今年度特に多いのが「定年の見直し」に関するご相談で、
今年4月に改正された「高齢者雇用安定法」の影響によるものと考えられます。
各事業所は従業員に対して70歳までの就業機会を確保することが、
「努力義務」化されることになりました。
経験豊富なベテラン人材の確保に向け、
定年年齢の引き上げを検討する保育園が多いようです。
今回から2回に分けて、定年見直しの留意点について解説します。
(※社会情勢を踏まえ、まずは60歳の定年年齢を65歳へ引き上げる場合を想定します)
① 安易な定年年齢の引き上げは注意が必要です
定年年齢を60歳から65歳に引き上げると、
その間の人件費の増額が想定されます。
定年後、再雇用職員へ雇用転換する場合は、
年収を一定幅減額する措置を取る事業所が多いと思いますが、
定年年齢の引き上げにより、この分の人件費の圧縮は図りづらくなります。
人件費推移予測などにより、
財務的な影響を勘案した上で、判断する必要があります。
② 勤務延長制度という選択肢
ベテラン職員のなかには、
「60歳以降は非常勤でマイペースに働きたい」という方もいれば、
「定年年齢が伸びるのであれば、それまでバリバリ働きたい」という方もいるでしょう。
また、法人や保育園側からすると、
「この園長(・主任)先生には、引き続き第一線で勤務してもらいたい。」
というような、個別的に判断したいケースも出てくるでしょう。
このようなケースの選択肢の一つに、「勤務延長制度」があります。
「勤務延長制度」は、
定年は60歳に据え置き、一定の要件を満たす職員については、
退職とせずに、個別に引き続き正職員として雇用し続ける制度です。
原則として、役職や給与、仕事内容などは大きく変えず、
定年前の雇用形態を維持したまま雇用します。
この制度を運用するためには、
勤務延長制度規程を整備し、延長要件を設定する必要があります。
例えば、以下のような要件が一般的です。
・対象者が引き続き正職員(常勤)として現在の役務を果たす意思がある
・一定以上の職位に就いている
・過去2年の人事考課がいずれもB以上である
・健康診断等の結果を産業医が判断し、業務に支障がない
・理事会で承認を受けた者
いきなり一律で定年年齢を引き上げるのはリスクがある場合、
このような制度を導入することで、段階的に移行することも一案となります。
定年の見直しはベテラン職員の確保以外にも、
若手職員の育成・成長・待遇確保、園全体の財務状況、
業務内容と賃金のバランスなども、総合的に勘案する必要があります。
次回は引き続き「役職定年制度」について検証します。
定年の見直しに関するご相談がございましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。
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