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保育所経営ブログ
VOL.69「保育士等へのワクチン接種の勧奨に関する留意点」
皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。
熱戦が繰り広げられたオリンピックが終了しました。
この炎天下でもトップパフォーマンスを発揮するアスリートは、本当にすごいですね!
これまであまり馴染みのなかった競技に興味がもてることも、
オリンピック・パラリンピックの醍醐味のひとつだと思います。
さて、弊社では、7月下旬から8月上旬にかけて、
新型コロナワクチンの希望者への職域接種が行われました。
(縁ブログ「職域接種にて新型コロナウイルスワクチンを接種しました」)
自治体によっては、保育園も優先接種の対象となったようですが、
「職員にどこまで接種を求めて良いのか」というご相談をよく伺います。
今回は、ワクチン接種における留意点について整理します。
〇強制・義務付け・不利益待遇はNGです
保育園という職種の特性を考慮したとしても、
「業務命令として接種を命じること」、
「拒否している職員に執拗に説得し続けること」、
「拒否した職員にペナルティを与えること」、
などは法的な合理性を欠き、場合によってはパワハラに認定される可能性があります。
逆に接種者には利益を与える(例えば、接種日は特別有給休暇とする等)ことは、
適切・有効な接種勧奨と言えます。
〇接種の勧奨はOK
職員の安全配慮の観点から、接種を勧奨する呼びかけは、
執拗な(実質的に強制するような)程度でなければ、問題ありません。
この「執拗な」の定義が難しい(法的に明記がない)ところですが、
少なくとも一旦意思表示(拒否)した職員に対し、
繰り返し接種を勧めるようなアプローチは避ける必要があります。
〇ワクチン接種情報の取得・管理はOK
職員がワクチン接種を終了したか否かを確認することや、
接種済み証(の写し)を提出させることは、問題のない人事管理となります。
但し、他の個人情報と同等の取り扱いが求められるため、
本人の同意がないにもかかわらず、
第三者(保護者や他の職員等)にこの情報を提供してはなりません。
ワクチン接種でトラブルにならないためには、
園としての方針をきちんと周知した上で、
職員の判断を尊重する必要があります。
アナフィラキシーの発症歴やその他の持病を抱えているケースも想定されるため、
職員個々の安全を第一に、職場全体の感染予防に努めていきましょう。