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保育所経営ブログ
VOL.59「保育園におけるカスハラ対応を考えよう!」
皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。
今年度は各地で研修やセミナーが中止や延期、
またはオンライン形式での開催に変更になるなど、
例年と異なり、情報や知識のインプットが思うように進まないという声も聞かれます。
そんな中、今月、ある自治体の公立保育園の先生方を対象とした、
「ハラスメントの予防研修」の講師として登壇させていただきました。
いわゆる三大ハラスメント(セクハラ・パワハラ・マタハラ)については、
以前、このブログでも取り上げておりますので参考にご覧ください。
今回は、カスハラ(カスタマーハラスメント)への対応について、
考えていきましょう。
保育園におけるカスハラとは
カスハラとは、顧客(保育園の場合、主として子どもの親や地域住民など)が
企業(保育園や職員)に対して、不当な要求をしたり、悪質なクレームをつけたりすることで、職員の心身を害したり、保育園の経営に悪影響を及ぼす行為を指します。
保育園や職員側のミスが原因で起きたクレームであったとしても、
度を越えた不当な要求や理不尽な言いがかり、暴言などは、
カスハラに該当する可能性があります。
カスハラに関しては、それ自体を規定する法律が存在しません。
そのため、カスハラの疑いのある行為を受けた場合は、
個別かつ具体的に対応する必要があります。
また、職員間で事前に、園内での対応方針やルールを共有しておくことが重要となります。
カスハラに対する対応の進め方
カスハラの疑いのある行為を受けた場合の一般的な対応についてご紹介します。
①相談・要求内容の確認
園や職員に対する過度な要求があった場合、
その内容を確認し、一旦、園内で協議する旨を相手に伝えます。
この場合、初期対応した職員が、
自己判断してしまわないように注意する必要があります。
②園内での協議
園の対応方針やルールと照合した場合、
・例外的に要望どおりに対応すべきか
・代替案を提案すべきか
・ルールにそぐわないため断るか
など、状況に応じた対応を協議します。
場合によっては、市区町村の保育課や外部機関に相談することも一案です。
③園の方針を伝える
②で協議した結果に基づき、
園の対応方針を当事者に伝えます。
園長など園の責任者が、直接相手に伝えることが望ましいでしょう。
職員を守る視点を大切にしましょう
カスハラの対応で重要なことは「職員を守る」ことです。
事態を早期に収拾させるため、園側が一定の譲歩をするにしても、
職員が犠牲になったり、
働く意欲を損なうようなことがあってはなりません。
「カスハラは起こり得る」ということを意識し、
有事の際には職員が全て一人で抱え込まないよう、
対応手順を事前に共有することが大切です。
現場の職員を守るためにも、
必要な対応手順を園内で検討してみましょう。
具体的なケースへの対応策については次回取り上げます。

- ◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
- 人事コンサルティング部 部長。保育園、老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。施設での経験を活かしたいという想いをもって2012年に川原経営に入社。保育所・介護施設等を運営する社会福祉法人の給与・人事考課・研修の制度構築支援に従事。その他社会福祉法人の設立・合併・事業譲渡支援など、医療・福祉経営に関する幅広いコンサルティングを行っている。
保有資格:行政書士・保育士・社会福祉士
著書:「地域に選ばれる特別養護老人ホームの作り方」「介護ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」
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