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ブログ

保育所経営ブログ

VOL.50「児童虐待防止法の改正について」

2019.10.15

皆さん、こんにちは!

川原経営の神林です。

 

ラグビーワールドカップが熱いですね!

普段はほとんど観戦することがないのですが、

今は毎試合楽しみに観ています。

 

さて、保育園の経営や保育の実践にかかる法律等の改正に関しては、

当ブログ内でも都度ご紹介しておりますが、

今回は2020年4月から施行される「児童虐待防止法(※)」の

改正のポイントをみていきましょう。

今回の改正のポイント

本改正ではあらたに以下の内容が盛り込まれています。

①親がしつけを名目として、子どもに体罰をすることを禁止

②児童相談所における「介入」と「支援」の分離(子どもの一時保護をする職員と親への支援を行う職員を分ける)

③児童相談所や児童福祉施設、学校、教育委員会に対し、虐待の疑いがある子どもの情報を漏洩してはならないとする守秘義務

④児童相談所の職員の体制強化(医師、看護師をそれぞれ1名以上の配置を義務付け。弁護士が常時助言できる体制の整備)

⑤DV(家庭内暴力)対応機関との連携強化

⑥都道府県や児童相談所に、虐待した者に対する再発防止に向けた指導を努力義務とする

⑦転居先の児童相談所間で速やかに情報共有をすることを規定

 

昨今の深刻な児童虐待事件を背景に、

「親によるしつけの一環(と主張する)としての虐待」、

「児童相談所の体制不足等による不十分な対応」、

に対する迅速な対応、解決に導くために、

さまざまな点の法整備が進められました。

 

保育園・保育士に求められる役割

虐待の防止を図る上で、保育園の果たす役割の重要性は言うまでもありません。

 

保育園で働くすべての職員が、

園児のみならず、地域の子どもたちの命や尊厳を守る役割を担っているという認識に立ち、日々の保育にあたるとともに、

学校や病院などさまざまな資源と協働して、

見守りの必要性や虐待防止への意識を醸成していくことが求められます。

 

加えて、保育士による「保護者支援」も重要な役割です。

こどもの保育だけでなく、

精神的・肉体的な疲労状態を察知し、

常に相談に対して適切に対応できる保育士像が求められます。

 

 

折しも、今年の11月には、国連の「子どもの権利条約」が採択されて30年を迎えます。

 

今回の法改正を契機に、

いま一度、子どもの尊厳について考えながら、

虐待予防に対する園の考え方・取り組み方などについて、

園内で話し合われてみてはいかがでしょうか。

 

※併せて「児童福祉法」も改正されます。児童福祉法については、次月のブログで解説します。

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.