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保育所経営ブログ

VOL.43「民法改正に伴う留意点」

2019.03.15

皆さん、こんにちは!

川原経営の神林です。

 

年度の変わり目を迎え、

新年度に向けた準備を進めている時期かと思います。

 

4月以降は働き方改革関連法の一部施行や、

幼保無償化など大きな法律の改正が控えています。

 

今月はその一つ、120年ぶりの大改正を控える「民法」について、

保育園の運営に与える影響と留意点を解説します。

 

 

幅広い改正内容のうち、保育園運営に影響が及ぶと考えられるのは、

・消滅時効

・保証契約

・法定利率

などが挙げられます。

 

今回は2020年4月より改正施行が見込まれている

「消滅時効」について確認しておきましょう。

 

 

「消滅時効」とは

 

私たちはさまざまな「権利」を持っています。

保育園の職員の立場においては、

「働いた分の給与を払ってください」

「法律や就業規則で定められている休日を取らせてください」

などが、働く人の権利として認められています。

 

但し、これらの権利が認められているからといって、

「10年前の残業代を払ってもらっていません、今月分で払ってください」

と請求することはできません。

ずっと昔に存在していた権利は、

一定期間が経つと「時効」により消えてしまいます。

これを「消滅時効」と言います。

 

賃金の支払いについては2年分を請求することができます

 

現行法では、

「賃金支払いを求める権利は2年経つと時効で消滅する」と定められています。

つまり、園から職員にきちんと賃金(残業代など)が支払われていない場合、

職員は、2年より前に発生した残業代を「払ってください」と、園に請求することはできません。

 

賃金債権等の消滅時効は原則5年に見直されます

 

今回改正される民法では、

賃金債権等の消滅時効は「原則5年間」に見直されます。

そのため、「5年前の残業代を払ってください」という請求は、

改正法の施行日以降は認められることとなります。

 

勤怠記録を保管しましょう!

 

職員に対する賃金はきちんと支払われていると思いますが、

「未払いであるか否か」は客観的な事実に基づき判断されます。

事実がどうであったのかを明確に示すことができるよう、

その根拠となる記録(タイムカード、時間外・休日勤務の申請書、給与明細など)は、

しっかりと保管しておきましょう。

あわせて、記載する事項や記載方法なども、

今一度見直してみてはいかがでしょうか。

 

職員・園、双方の立場を守るためにも、

きちんとした勤怠管理を行っていきましょう。

 

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 部長。保育園、老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。施設での経験を活かしたいという想いをもって2012年に川原経営に入社。保育所・介護施設等を運営する社会福祉法人の給与・人事考課・研修の制度構築支援に従事。その他社会福祉法人の設立・合併・事業譲渡支援など、医療・福祉経営に関する幅広いコンサルティングを行っている。
保有資格:行政書士・保育士・社会福祉士
著書:「地域に選ばれる特別養護老人ホームの作り方」「介護ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」

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