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保育所経営ブログ
Vol.27「保育実習とインターンシップ」
皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。
6月に入り、
全国で今年度のキャリアップ研修が開始される時期となりました。
当社もいくつかの自治体で講義をさせていただきますので、
お会いする機会があるかもしれません。
さて今月は、保育実習とインターンシップをキーワードに、
保育所経営の最大のテーマである「保育士採用」について考えてみたいと思います。
それぞれの特徴を活かしながら、採用に結び付けていくためのポイントについて考えてみましょう。
保育実習のポイント「実習園で働くことの魅力」を強く印象づけるよう工夫する
保育実習は保育課程などの履修科目の一つとして、
学生がこれまで学校で学んだことの実践や
現場から新たなことを学ぶことが目的です。
一般的には2週間を2回程度、実習先は実習生の希望も考慮されますが、
各学校が提携している保育所に配属されることになります。
実習生への対応で重視すべきポイントは、
受け入れ園としての評価・評判を高めることです。
あの園では丁寧な指導を受けることができる、
興味深い保育を実践している、
必ず面接に来て、と言われる。
良い評判も悪い噂も学校や学生に行き届きます。
園によっては、実習が終わった後に本人が希望されて採用面接に繋がるというケースもありますが、
実習中に、就職に関して園側が積極的な勧誘を行うことは基本的にはNGですので、なかなかその時点で具体の話につなげるというのは難しいようです。
では粛々と受け入れる・・・それも何だかもったいない!
実習生の受け入れは、即効性こそ期待できませんが、
採用に向けた「間接的営業」と捉え、
即効性を意識するのではなく、職業として「保育」を真剣に考え始めた時に、
職場の選択肢の一つとして自園のことを優先的に考えてもらえるよう、
保育士としての生き方や働き方を考えてもらう。
実習園の考え方や方向性は、自分自身が保育士として成長していく糧になる。
そうしたことが実感できる実習となるよう指導にあたることが大切だと思います。
即効性を意識した直接的な採用活動を展開するのであれば、
インターンシップを検討することもよいでしょう。
インターンシップのポイント「不安」を解消するとともに「感動」を得られるよう工夫する
インターンは就業先の選択を目的に、
求職者自身が園を選択して応募してくるケースがほとんどです。
インターンの対象は学生に限らずさまざまなケースが対象となります。
実習課程と違い園が独自にインターンプログラムを設定することができ、
参加者に応じた対応を取ることが効果的です。
例えば、養成校で学ぶ学生を、保育士養成課程と同じ内容で受け入れても、あまり有意義な時間にはなりません。
一方で、通信教育等を使って独学で保育士の国家試験をクリアしてきた方は、実習経験がないため、実習課程以上に基礎の基礎から保育の現場を体感してもらう必要があります。
少しブランクがある潜在保育士ではどうでしょう?
ある調査では、ブランクもある上に、自分の知識や経験で今の保育に対応できるのか不安があるため、再就職を躊躇している潜在保育士が多いという結果も出ています。
久々に入る現場に戸惑わないよう、経験者だからといって対応が手薄にならないよう、
昨今の保育ニーズを少しずつ理解してもらいながら、ギャップを埋めていくことが大切になります。
同時に「感動」を与えることも大切です。
経験の有無やブランクに捉われることなく前向きに取り組んだ結果が、
子どもたちの成長にどのように活かされているか。
保護者の安心にどれくらい貢献できているか。
こうした部分を丁寧に伝えていくことで感動が生まれ、
現場経験のない方であれば、保育の現場で貢献することの意義ややりがいが芽生えたり、
潜在保育士であれば、再確認することから新たな一歩を踏み出してもらえたりするのではないでしょうか。
インターンシップの利用を検討するのであれば、
大学や専門学校の就職課、求人会社、福祉人材センター(保育士・保育園支援センター)などにアプローチしてみましょう。
特に、福祉人材センター(保育士・保育園支援センター)では、助成金付きのインターンシップ事業の受け入れ先を募集している地域もあります。
採用活動で重要なのは、求職者との接点をどれだけつくれるかです。
保育所ではインターンシップよりも実習生の受け入れを行っている方が多い印象ですが、
人財採用の幅を広げるという意味でも、インターンシップについても考えてみてはいかがでしょうか。
待つのではなく攻めの姿勢で、
新しい取り組みにチャレンジしてきましょう。
川原経営:神林