医療機関・福祉施設の経営を総合的に支援するコンサルティング・グループ

創立50周年記念 お問い合わせ Twitter
  • 文字の大きさ
  • 標準

ブログ

保育所経営ブログ

Vol.31「会議の生産性を高めよう!」

2018.08.15

皆さん、こんにちは!

川原経営の神林です。

お盆を迎え、今週は園児のお休みも多いのではないでしょうか。

遊具や行事に使う備品、絵本の補修、週案、日案等の書類の整理など。

人数が少ない時こそ、日頃やりたくてもできなかったことに取り組み、保育環境を整えておきましょう。

また、日頃、つい見落としがちな子どもたちの「小さな成長」をしっかりと確認できる絶好の機会でもあります。

新保育指針にある「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」を意識しながら、成長記録の振り返りとこれから必要な指導内容について、職員皆で考えていきましょう。

さて、今月は「会議の生産性について」です!

一言で会議といっても、その内容や目的はさまざまですね。

「全体会議」「行事企画」「リスクマネジメント会議」「計画策定会議」「管理職会議」等々。

多くの保育園で毎月、何かしらの会議を行っていることと思います。

会議について伺うと、

○ 時間がかかる割に物事が決まらない(段取りが悪い)

○ 決まった人しか発言しない(参画意識がない)

○ 話し合った結果がどうなったのか分からない(結果の反映)

などの声が多いようです。

「会議の生産性を高める」とは、

「短い会議時間で大きな効果を出す工夫を凝らすこと」をいいます。

そのためには、以下を意識してみましょう。

1.議題は事前に準備する

遅くとも前日には参加者に議題(当日話し合う事柄)を配布し、検討事項については各自準備して臨んでもらいます。

資料についても事前に配布しておけば、あらかじめ目を通してもらえるので、会議当日も話し合いがスムーズに進みます。

2.時間を意識し時間で区切る

会議の時間は30分、長くて1時間以内とします。

夕方から開催する園も多いと思います。

しかし、子どもたちも降園して業務に制約がないことから、ついずるずると遅い時間まで話し合ってしまうことが多くなりがちですし、

日中の業務により集中力や判断力は確実に落ちていますので、会議もどうしても形式的になってしまいます。

可能な限り日中の短時間で済ますことができるよう工夫していきましょう。

3.発展的な発言を促す工夫を施す

 ブレインストーミングなどの方法を用いることで、意図的に参加者の発言を促し、発展的な考えを引き出す工夫も大切です。

○ブレインストーミング

皆さんも研修やセミナーなど、いろいろな場面で一度は体験されている手法だと思います。

声に出してアイデアを出し合うのも良いですが、付箋などを使ってそれぞれが書き出したものを整理していく「KJ法」と合せて行うという方法もありです。

意見・提案を募る際、

・質より量を重視し、とにかくアイデアを出す

・他人の発言には反対しない

ことが基本的なルールです。

議題が停滞しているときや参加者からなかなか発言が出てこない時などは、特に効果的です。

○ブレインライティング

ブレインストーミングは自由なアイデアを出すことができる反面、

考えるヒントが見出しづらかったり、発言し合う雰囲気が上手く作れなかったりすると、会話が発展しにくくなることがあります。

そんな時は、このブレインライティングという方法を活用してみてください。

ブレインライティングは、

・グループになる(6人程度が丁度良いです)

・テーマを決める

・各自紙を持ち、1人につき3つずつテーマに沿ったアイデアを考えて記入する

・5分以内でアイデアを書き込み、隣の人に紙を回す

これを繰り返すことで、((1人×3アイデア)×6回転)×6人=108個のアイデアが出てくることになります。

その後、似ている事柄をまとめながらアイデアの絞り込みを行います。

発言が出にくい時や、時間内にまとめる必要がある時などに活用すると、アイデアを引き出せるとともにまとめやすくなります。

○Qストーミング

発言だけならともかくアイデアを出せと言われると、急に消極的になってしまう。

こんなことありますよね。

そんな時は、「アイデアを出す」という視点から「質問を出してみる」という視点に変えて考えてみましょう。

Qストーミングは、トヨタ自動車の事例でもおなじみの「なぜなぜ分析」(問題に対して「なぜ○○なのか?」を繰り返し考えることで、問題の主訴を探る手法です)に少し似ています。

・テーマを決める

・テーマについての質問を出し話し、掘り下げて意見を出し合う

と、簡単に書くとこれだけなのですが、

良い発言を引き出すための質問のポイントは、

「なぜ」だけでなく「どうしたら」という要素を含むことです。

「どうしたらできそうか(可能になりそうか)」

「どうしたら解決しやすいか」

「とうしたらより良くなりそうか」

こうした良い質問ができると、話し合いも前向きになり良い発言が引き出されてきます。

会議に課題があると感じている園では、

是非実践してみてください!

川原経営:神林

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.