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保育所経営ブログ

Vol.34「業務改善に取り組もう⑤」

2018.10.01

前回ご紹介しました「業務の現状把握」。

皆さん上手く取り組めたでしょうか。

今回は、洗い出された問題や課題の改善策を考える際の工夫をご紹介する予定でしたが、

ブログを見てくださっている園の先生から、

「整理したけれど問題点が上手く見出せない」というご相談をいただきましたので、

今回は少しだけ寄り道して、

「必要な業務と不要な業務の見分け方」についてご紹介したいと思います。

「不要な業務」などと書きますと、

たいていの先生方は「全部必要な業務です!」とお答えになります。

そうですよね。わざわざ不要な業務をする人などいないはずです。

今まで行ってきた業務をばっさり切り捨てるというのも、

何だか不安ですよね。

そんな時は、「必要/不要」を

「重要度が高い/重要度が低い」という言葉に代えて、整理してみましょう。

理念や方針に「貢献できているか」

園で行う全ての業務は、法人の理念や園の方針を達成するために行われるものです。

業務の目的と、理念・方針との関連性が見いだせない場合、

その業務は、取り組みの重要度を低くしてもよいかもしれません。

アウトプットが「活用されているか」

作成している書類やデータが「有効活用されているかどうか」を確認してみましょう。

保育の現場では、法令や指針で作成が義務付けられているものも少なくありません。

各種書類、データの結果(アウトプット)が実践にきちんと活かされていることはもとより、

きちんと評価し次の保育実践にいかされるものになっているかを確認することが大切です。

その上で、取り組みの優先付けをしていくことが大切です。

園内で「重複していないか」

クラス間や役職間で同じ業務をしている場合は、業務そのもののだけでなく、

業務のチェックや承認などの行為も二重に行っていることになり、

それだけで業務の負担は大きくなります。

重複する業務一つにまとめることで内容が省略できることがありますし、

チェックや承認も簡素化されることになります。

こうした場合は、業務の重要度には変化がないかもしれませんが、

整理統合することで、より重要度の高い業務を行いやすくなります。

既に業務の整理を行ってみた園でも、

こうした視点で今一度点検してみましょう。

より必要な業務が焦点化されるとともに、

次号からご紹介する改善策を考えやすくなります。

久保田真紀

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 部長。保育園、老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。施設での経験を活かしたいという想いをもって2012年に川原経営に入社。保育所・介護施設等を運営する社会福祉法人の給与・人事考課・研修の制度構築支援に従事。その他社会福祉法人の設立・合併・事業譲渡支援など、医療・福祉経営に関する幅広いコンサルティングを行っている。
保有資格:行政書士・保育士・社会福祉士
著書:「地域に選ばれる特別養護老人ホームの作り方」「介護ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本」

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