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ブログ

保育所経営ブログ

Vol.32「業務改善に取り組もう④」

2018.09.01

先日、ある本で「子どもが騒げば雨が降る」ということわざを知りました。

皆さんご存知ですか。

「外で遊んでいた子どもたちが騒ぎ出すと近いうちに雨が降ってくる」

という、言葉どおりの意味です。

これって偶然でしょ? そう思ってしまいがちですが、

実は、気象と体調の密接な関係を表わすことわざなのだとか。

人の体は気象の激しい変化があるとストレスを感じ、

それを調整しようとして、自律神経が活発になります。

気象の変化は気圧の変化をもたらします。

気圧の変化が激しければ激しいほど、負けないように体はがんばってしまいますので、

コントロールがきかなくなり、体の痛みなどの不調が生じてしまうようです。

老若男女を問わずのようですが、特に、

自律神経の調整機能が発達期である子どもたちは配慮が必要かもしれませんね。

さて、業務改善の4回目となる今回は、業務改善のはじめの一歩となる

「現状を把握する方法」についてご紹介します。

「どこから手をつけるか」を決める

まずは、何をどう改善するのかを決めましょう。

企業などが業務改善をしようと考えたとき、

「業務量調査」(仕事の量を数値化して、どの部分に負荷がかかっているかを調べる)や

「ABC分析」(数値化したものを並べ替えて、改善の範囲を選定する)、

「ワークサンプリング」(就業時間を100%とした場合、何%稼動しているか、時間の比率などを調べる)

などの方法を用います。

しかし、保育の現場では、

子ども一人ひとりの状況やその日の活動内容などによって業務の質も量も変わってきますので、

単純に数値化したものが、業務に必要な標準時間(割合)かと言えば

そうでもないと思います。

そこで、保育園で実施しやすい二つの分析方法をご紹介します。

ヒト・モノ・コトで業務の問題点を整理する方法

改善点と課題を明らかにするために、日頃の業務を一覧に整理してみます。

このとき、業務ごとに「ヒト・モノ(場所、設備)・コト(ルール、手順、企画)」の視点で、

どこが問題か(改善を要するか)を書いておくと、後で課題を整理しやすくなります。

■一覧表の例

時系列で業務を洗い出しながら問題を発見する方法

業務の内容からだけでなく、

取り組む順番やタイミングなども明らかにしていきたいときには、

時系列に業務を洗い出していく方法をお勧めします。

一日の動きがまとまったところで、重複している事柄や

抜けてしまっている業務について話し合っていきます。

そこから、子どもたちの安心・安全、最善の利益の実現、保護者支援などの視点で、

優先的に改善していく必要がある部分がどこなのかを決めていきます。

現状分析というと、つい難しく考えてしまいがちです。

「それぞれの動きを見えるようにする」という考え方で取り組めば、

職員全員が業務全体を知るきっかけにもなりますし、

改善に向けた意識も高まります。 

無理のない範囲で取り組んでみましょう。

次回は、見えてきた問題や課題の改善策を考える際に

役立つ工夫をご紹介します。

久保田真紀

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.