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保育所経営ブログ

VOL.95「高騰する保育所の建設費」

2023.10.25

皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。

 

体調を崩してしまい、この一週間は休暇と在宅ワークを利用させてもらいました。

気が付けば日が落ちるのが早くなり、夜は肌寒くなりました。

皆さんも体調にはくれぐれも留意されてください。

 

さて、物価高や円安の影響を受け続けている2023年度ですが、
建設費の高騰も大きな問題となっています。

保育所の新設や建て替えにも大きな影響が見込まれるため、
今月は建設費について考えていきましょう

 

● 建設費の推移

下図は、国土交通省と独立行政法人福祉医療機構より公表されているデータで、
建設費の推移を示したグラフです。

保育所等の福祉施設の建設費は、
「建設工事費デフレーター」(図1)の推移と同様の右肩上がりで上昇しています。

7年前(2015年)に比べて直近(2022年)の建設単価は1.28倍
90名定員の保育所1棟だと大体4億円くらいだった工事費が、
今だと5億円を上回る計算です。(図2)

保育所等の福祉施設には厨房設備やスプリンクラー、空調設備なども附帯するため、
一般的な建設物(住居や事務所など)よりも、資材価格高騰の影響が大きく及びます。

 

(図1)「建設工事費デフレーター(2015年度基準)」

出所:国土交通省「建設工事費デフレーター(2015年度基準)」より作成
※2015年を「100」とした指数の推移

 

(図2)「福祉施設の平米単価の推移」

出所:独立行政法人福祉医療機構「2022年度 福祉・医療施設の建設費について」より抜粋

 

● 建設業界2024年問題

今後さらに心配されているのが「建設業界2024年問題」です。

保育業界では既に適用されている「働き方改革」における「時間外労働の上限規制」や
「同一労働同一賃金」、「週60時間超の時間外割増賃金率引き上げ」などに関して、
建設業や医師などこれまで適用が猶予されていた業種に対する義務化が、
2024年4月からスタートします。

これにより、建設会社の人件費支払いが増加し、
このことがさらなる建設費の高騰に繋がると指摘されています。

 

これから、園舎の大規模な修繕や建て替えなどを控える保育所では、
この状況に加え、将来的な少子化の影響なども踏まえ、
「規模・定員の縮小」を検討することも一案です。

なお、自治体によっては建設費用の追加補助を緊急一時的に行うケースもあるため、
既に計画に着手している保育所は相談されるとよいでしょう。

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。

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