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ブログ

保育所経営ブログ

VOL.90「新人職員研修のプログラム事例」

2023.05.17

皆さん、こんにちは!
川原経営の神林です。

 

今年度、新たに採用した職員がいる園では、
この連休明けからは注意が必要です。

 

保育士(公立保育園を除く)の離職率はおおむね14%程度、
2年未満での離職率は15%程度、
半年~1年の間での離職率は25%にも及ぶと言われています。

 

離職の理由については、

  • 人間関係
  • 給与と仕事量・労働時間のアンバランス
  • 妊娠・出産等のライフイベント

が上位を占め、職場環境を改善するために、
ICTの導入や業務フローの見直しにより、
労働時間・負担の軽減に取り組んでいる園も多いでしょう。

 

一方で、「新人教育」がおろそかになってしまうと、
どれだけ業務を効率化しても、いつまで経っても職場が落ち着かなくなってしまいます。

 

入社後、3か月から半年くらいの間は、
集中的な新人研修プログラムを設定し、
できるだけ早く現場に慣れる環境を整えていくことが大切です。

 

主な新人研修プログラムの内容は、
「法人の沿革」や「園の方針・理念」などがあり、
園長などの経営層が直接レクチャーする最初のテーマだと思います。
これらに加えて個別としては以下のテーマが挙げられます。

 

「保育士としての接遇・マナー」

  • 園の評判や職場内での人間関係を良好に保つ上での重要テーマの一つです。
  • 学校では教えてくれない「電話の取り方」や「正しい文書の書き方」などのビジネスマナーも早い段階で習得が必要なスキルです。

 

「メンタルヘルス・マネジメント」

  • 職場は職員のメンタルヘルスを管理する必要がありますが、
    職員は自分自身の心と身体をケアするスキルを身につける必要があります。
  • 上司や保護者などとの関係性を適切に保つため、
    ハラスメント(パワハラやカスハラなど)の基礎知識についても学びます。

 

「コンプライアンス・フィナンシャル管理」

  • 最近ご相談が多いテーマです。
    コンプライスは、「就業規則」・「情報管理」などにフォーカスした
    「保育士・社会人に必須のルール」の理解。
    ファイナンシャル管理は、「給与明細の見方」についての基礎知識を学びます。
    (所得税・年金・社会保険料・住民税・年末調整・処遇改善加算など)
  • 後者に関しては、一般的に「給与が低い」と言われる保育業界は、
    他産業に比べてどの程度の水準なのかなど、お金に関する世間常識も確認します。

 

テーマによって、園の中で講師を立てた方が良い内容と、
外部に委託した方が良いものがあると思いますので、
上手く組み合わせながら研修プログラムを検討しましょう。

 

 

◆ 神林 佑介 プロフィール ◆
人事コンサルティング部 副部長。2012年入社。保育士・社会福祉士。保育園、そして老人ホームで働いた後、オーストラリアへ留学。帰国後、会計や経営コンサルティングの仕事は未経験ながら、コンサルという仕事への憧れ、そしてホームで働いた現場経験を活かせるのではないかという想いをもって、この世界へ飛び込んだ。以来、介護・福祉施設の経営コンサルタントとして主に法人開設支援などを行なっている。
© Kawahara Business Management Group.