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医療機関・福祉施設でのコミュニケーション向上委員会ブログ

Vol.11「一年の締めくくりは「温もりのある言葉」で」

2019.12.20

お知らせ 2021/12/22
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先日、職場の先輩がご結婚されました。

 

いつも明るくて仕事も意欲的。愉快で頼もしい先輩のおめでたいお話ですので、私も我が事のように嬉しい。

そんな思いを込めて、ささやかながらお祝いのお品を用意しました。

 

添えるカードには日頃の感謝とお祝いの気持ちをしっかり書かないと。

 

そんな思いで机に向かったのですが、自分でもびっくりするほどいい言葉が出てこないではありませんか!

・・・考えれば考えるほど、言葉はぎこちなく硬い感じに。

結局カードは作らず、「おめでとう!」と言ってお品を渡しました。

 

 

言葉が美しいだけでは気持ちは伝わらない

 

こうして無事にお祝いを渡したわけですが、その一方で、どうしてあんなに言葉が浮かばなかったのだろうとモヤモヤが募るばかり。

 

友人にその話をすると、こんな言葉が返ってきました。

「綺麗な言葉が胸をうつ言葉だとは限らない」

思わずはっとさせられる一言でした。

 

「お祝いの言葉」と称して、実のところ己の体裁や見栄が先に立ち、自分の気持ちとはかけ離れた言葉を選んでいたのかもしれません。

 

見た目や響きだけで言葉を選ぶのではなく、「自分らしさ」がしっかりと伝わる言葉を選んでいくことが大切だということを痛感しました。

 

 

「自分らしいコミュニケーション」に宿るもの

 

この話、職場内のコミュニケーションにおける言葉選びについても、同様のことがいえるのではないでしょうか。

 

福祉・医療の現場のコミュニケーションには、「濃淡」があるような気がします。

 

「濃」は、利用者(患者)やご家族など直接的な支援(治療)にかかるコミュニケーション。

「淡」は、例えば、休憩時間や朝夕の挨拶、廊下ですれ違う時、仕事の合間など、職員同士の何気ないコミュニケーション。

そんなイメージです。

 

職場内で大半を占める「濃」のコミュニケーションは、「迅速かつ的確」が鉄則です。

状況や症状に合わせた、適切で簡潔明瞭な専門用語である必要があります。

 

職員の皆さんは、みんな分かっているし納得もされている。

でも、日々の忙しさや心身の疲れから、時にそうした「端的なやりとり」に、冷たさや寂しさを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

そんな気持ちに陥ってしまうと、大切なことを受け入れづらくなってしまう。

 

そうならないためにも、「淡」のコミュニケーションの際には、人柄や気持ちを伝え合える会話を意識したいものです。

 

「自分らしさ」を意識しようとすると、自然に優しい言葉遣いや柔らかい言葉、簡易な表現を選ぶようになります。

相手も受け止めやすくなりますので、温もりのある会話が生まれ、良い関係が築きやすくなります。

 

 

今年も残すところあと少し。

一年の締めくくりには、職場の仲間へ感謝の思いや労りの気持ちを、自分らしい温もりのある言葉で贈ってみましょう。

 

皆さんが、ほっこりと温かい気持ちで、よい新年を迎えられますように。

 

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