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医療機関・福祉施設でのコミュニケーション向上委員会ブログ
Vol.20「ダメ出しする人との向き合い方」
お知らせ 2021/12/22
当ブログ筆者の久保田真紀によるAmazonkindle書籍が発刊されました(税別:1,000円)
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先日テレビで、「ほめ脳」になるためのトレーニング方法が紹介されていました。
相手の良いところを見つけ応援する。
そこから良い人間関係をつくりましょう。
・・・ということで、いろいろな角度から人や物を見て、良いところに気づくトレーニングを日頃からしていきましょう。
というお話でした。
この「ほめ脳」の大敵は「ダメ出し」です。
ダメ出しは本能的に言っていることが少なくないので、知らずしらずのうちにやってしまっていることが多く、私も改めて猛省した次第です。
自戒の意味も込めて、今回はダメ出しについて考えてみたいと思います。
「ダメ出し」という言葉
相手に対して否定的な言葉を投げかける時に、「ダメ出し」という言葉がよく使われます。
しかし、実はこのダメ出しという言葉は、注意点や改善点を挙げて改善を促すことを意味します。
相手の考えや行動が前向きになるような言葉を投げかけることが、真の意味でのダメ出しなのですが、全く逆の、否定的な言葉を投げかける、いわゆる「謗る(そしる)」時に使われることが多くなっています。
今回のブログでも、この本来の意味とは違うダメ出しに焦点をあてます。
相手によくなって欲しいから
ダメ出しする理由の一つ。
それは、「相手に良くなって欲しいという気持ち」があるからだといえます。
職場でよくありがちなのは、「教育しているのだ」という意識のもとに、上司(先輩)から部下(後輩)に対して行われているケースです。
成長してもらいたいという一心なのはわかりますが、上司は自分の考えが正しいありきで話しているので、部下の考えは「ほぼ全てダメ」で片付けられてしまうということになります。
例えそれが良いアドバイスだったとしても、ダメ出しの体でコミュニケーションを図ってしまっては、相手に本意が伝わることは決してありません。
自分本位だから
「自分を肯定したい(できる自分でいたい)」「相手より優位に立ちたい(上司・先輩であることを誇示したい)」という気持ちがある場合もあります。
そんな気持ちがうかがえるコミュニケーションをいくら図っても、モチベーションは下がるうえに不快感は増すばかり。生産性も創造性も仲間意識も生まれることはありません。
一番よろしくないのは、日頃の鬱憤を晴らすかのように感情をぶつけているだけの場合。
これはもう…話になりませんよね。
ダメ出しする人との向き合い方
ご紹介したように、ダメ出しをする上司や同僚の多くは、相手に良かれと思っているか自分にうっとりしている状態なので、「やめて欲しい」と言ってもなかなか改善されることはありません。
そうした人と距離を置くというのも一つの方法ですが、相手が上司だったらそれも難しい。
福祉・医療の現場でそんなことをしていたら、質の高いサービスを提供することなどできないどころか、大きな事故やクレームにつながってしまう可能性もあります。
そこで、ダメ出しを受けた人ができそうな対処方法を二つご紹介します。
① 質問を返してみる
相手にダメ出しされたら質問を返してみましょう。
その時、「じゃあどうすればいいのですか」と無防備に聞いてしまうと、
「それを自分で考えるのが仕事でしょ!」と、逆にダメ出しを煽る結果になってしまいます。
「今話されていた〇〇は具体的にどういうことですか」
「〇〇を考えるきっかけとなるキーワードや情報を教えてください」
こんな風により具体的な提案や対策を求めていくと、相手は「ううっ」と怯みつつ、
関わり方を変えてきてくれる可能性があります。
② ボジティブ変換する
何でもポジティブに捉えてボケる芸人さんがいたかと思います。
まさにそれを実践することをお勧めします。
本当に納得できるダメ出しであれば真摯に受け止める必要がありますが、
ダメから始まる話は過去の振り返りであることがほとんどです。
より良くしていくためには、過去より未来に目を向けることが大事。
ダメ出しの言葉を、無理をしてでもポジティブな言葉に変換して返していくことで、
コミュニケーションが前向きになってきますし、相手のダメ出しする力も少しずつ和らいでいくはずです。
それでもどうしてもダメ出しが治まらないこともあります。
そんな時は我慢しては絶対にダメです。
精神的な辛さが続くと心も体もとてもダメージを受けますので、仕事の場面だけでなく、プライベートの場面にもよくない影響を及ぼします。
自分の大切な人生の時間を、不毛なダメ出しに付き合うことに費やすなんてもったいない!
必要に応じ、職場で相談できる人や、自治体や医療・福祉関連団体が開設している相談窓口などに相談して、回避するよう考えていきましょう。
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