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介護経営のエッセンス

【介護経営の勘どころ⑧】介護老人保健施設の経営改善で押さえたい5つの視点

2026.08.03

 介護老人保健施設は、在宅復帰と在宅療養支援を担う地域拠点として重要な役割を持っています。一方で、介護経営の現場では、人件費の上昇、稼働率の維持、加算算定への対応など、複数の課題を同時に管理する必要があります。特に老健では、在宅復帰・在宅療養支援等指標を意識しながら、収益性と現場負担のバランスを取ることが重要です。

 本稿ではコンサルティングの視点から、介護老人保健施設における経営改善のポイントを整理します。

在宅復帰と稼働率のバランスをどう保つか

 介護老人保健施設では、超強化型・強化型などの上位類型を目指すほど、在宅復帰率やベッド回転率が重要になります。しかし、回転率を高めることだけを重視すると、平均在所日数が短くなり、新規入所者の確保が追いつかず、結果として稼働率が低下するリスクがあります。

 介護経営においては、指標の点数だけでなく、毎月どれだけの新規受け入れが必要なのかを把握し、医療機関との連携を継続的に強化することが欠かせません。

人員配置と業務効率化が収益を左右する

 介護老人保健施設では、特別養護老人ホームより看護職員の配置割合が比較的高く求められます。看護職員と介護職員の役割を明確にしすぎると、かえって非効率が生じる場合もあります。両職種が「利用者の生活を支える」という共通認識を持ち、連携を図ることが、結果として業務効率化につながります。

 経営改善で特に確認したい項目は、次のとおりです。

  • 医療機関との連携により稼働率を維持・上昇する
  • 在宅復帰・在宅療養支援等指標のバランスを保持する
  • 看護と介護の役割分担と連携強化による効率化を図る
  • LIFE関連を含めた各種加算算定により単価上昇を図る
  • 地域拠点としてのリハビリテーション機能を保持する

まとめ:老健経営は「機能」と「収益」の両立が鍵

 介護老人保健施設の経営改善は、単に稼働率や加算を追うことではありません。在宅復帰支援、医療機関との連携、リハビリテーション機能、人員配置の適正化を一体で捉えることが重要です。

次回は、通所介護サービスの特性と、その経営改善のポイントについてお伝えします。

 

このブログ記事は、弊社のコンサルタントが月刊誌「WAM」に執筆した記事をもとに再構成しています。介護老人保健施設の経営で着目したい指標の具体例など、さらに詳しく知りたい方はPDFの記事もご覧ください。
(PDF)経営改善のポイント(介護老人保健施設)

 

◆ 田中 律子 プロフィール ◆
2004年入社。以前のシステムエンジニアの経験より2000年に介護業界に関わったことをきっかけに、介護系事業所や介護請求システム会社を経由し、縁あって川原経営と出会い入社。福祉サービスに関する第三者現評価の業務を経て、現在は特別養護老人ホームや介護老人保健施設の戦略構想立案や経営改善、その他自治体からの研究受託などを行っている。医業経営コンサルタント資格保持者。

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