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医療が活きる、介護が活きる、つながりヒント
VOL.11 病院機能評価受審準備の途中で、なぜ行き詰ってしまうのか?
皆さま、こんにちは。
川原経営総合センターの遠藤です。
4月23日、「病院機能評価受審準備はこうする!院内全体マネジメントのキーポイントマネジメント」と題してセミナーを実施しました。
セミナーの参加者から「受審準備を始めたがうまく進まない」というお悩みをお聞きしました。
今回は、そんな場合の解決法について取り上げたいと思います。
主な原因は以下の2つに集約されます。
1.審査項目の担当者を明確にしていない。
2.評価項目のみに意識が集中している(訪問審査対応、書類作成などの全体像が見えていない)。
1.担当者を明確にしていない
約90もの評価項目のうち、「3.1.5 リハビリテーション機能を適切に発揮している」のように担当部署が1部署に限定される場合もあれば、「1.5.1 業務の質改善に向け継続的に取り組んでいる」のように、部署・委員会・職種が横断的に検討をしなくてはならない項目もあります。
部署単位で進める項目は、集中的に改善をすることも可能でしょうが、組織横断的な問題は複数の部署での対応が必要なため検討から実施まで時間を要します。
1部署で対応できると考えていたが、課題を検討しているうちに別部署の協力を得る必要が出てくることもあります。
つまり、あらかじめ担当部署を決めておかないと、必ず担当者不在の項目ができてきてしまい、責任の所在が明確にならずに、うやむやになってしまうのです。
2.評価項目のみに意識が集中している(訪問審査対応、書類作成などの全体像が見えていない)。
病院機能評価受審準備は、単に評価項目の中で自院が改善すべき課題を解決しているかどうかだけでは終わりません。
審査項目ごとに対策も必要ですし、訪問審査に使用する書類の作成もしなくてはなりません。
例えば、審査項目の一つであるケアプロセスを訪問審査3ヵ月前から準備し始めたとします。
ケアプロセスは選択症例の「チーム医療による診療・ケアの実践(2.2の中項目)」について確認されますが、実際は診療録の記載状況をもとに進められるので、記載方法・内容なども指摘事項になり得ます。
ケアプロセス対策を始めてから医師の記載に患者からの反応の記載がない、個別性のない内容になっている、などが分かっても、残り3ヵ月で十分に改善する時間が取れないこともあります。
つまり、初期の段階で「何を」「誰が」」「いつまでに」進めておくかを決めていないと、雪だるま式に取り組まなければいけないことが多くなり、何から手をつければよいのか分からなくなってしまうのです。
「いつから開始」だけではなく、「それまでに何をクリアしておかなくてはならないか」にまで意識を向けておく必要があります。
次回は、担当者を明確にするためにはどんな方法やツールを使用するとよいのか、次々回は、その方法やツールを用いたスケジュールの組み立て方についてお伝えします。

- ◆ 遠藤 愛 プロフィール ◆
- 病院コンサルティング部所属。社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士。一般企業の営業職から訪問介護事業所での勤務を経て、二次救急病院(一般病棟・地域包括ケア病棟)の医療ソーシャルワーカーになる。様々な支援に関わるやりがいを感じながらも、「患者さん・家族の支援には病院の体制が重要」と痛感し病院経営支援の道を志した。現在は病院運営全般支援業務、病院機能評価受審支援を主に業務を行っている。
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