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開業支援

開業された先生の体験談

勝どき小児クリニック 大戸秀恭 先生

(お話を伺った日:2018年03月16日)

事例から考える事業承継
地域と一緒に子どもたちを見守る、勝どき小児クリニック

 都営大江戸線 勝どき駅より徒歩3分の「勝どき小児クリニック」。子育て支援マンションとして建設された「アパートメンツタワー勝どき」の3階に位置しています。同じフロアには歯科や眼科診療所、別のフロアには認定こども園やキッズスペースもあります。院長の大戸秀恭先生は、2017年6月に「小森小児科医院」を第三者承継し、勝どき小児クリニックを開業されました。前任の院長は大戸先生の大学の先輩で、地域や医療界でも非常に信頼の厚い先生でした。中央区から委託を受け、病後児保育室の運営や地域の園医、校医としての活動も積極的に取り組まれていました。
 本記事では、大戸先生に承継開業までの背景や留意点をお伺いしました。

開業を決意したタイミングで医局からクリニックの紹介

 開業前、昭和大学横浜市北部病院に医局長として勤務し、長年小児の難病治療に携わってきました。2011年の東日本大震災の際は、すぐに岩手県山田町へ災害救護医療班として派遣されました。電気、ガス、水道もなく、物資も不足している状況で、外来、往診、時には子どもたちの遊び相手として、支援活動をしてきました。様々な方と接する中で、普段の医療環境がいかに恵まれているかを考えさせられました。また医療過疎と言われる地域で、被災した開業医の先生方がいかに尽力されているかを実感し、口だけではない地域貢献を目指すきっかけとなりました。そして、入院前後の子どもたちの成長にもっと身近な立場で関わっていきたい、という想いから開業を決意しました。
 開業に際して、医局に退職する旨を伝えたところ、開業するなら、と医局から現クリニックの紹介がありました。子育てに力を入れている地域という点と、隅田川の対岸にある聖路加国際病院や近隣の昭和大学江東豊洲病院、区の医師会の先生方との交流もあった点から、承継を決断しました。震災での避難所生活を通して予防の重要性を再認識し、待ち時間短縮による感染予防に力を入れています。

引き継いだ病後児保育室の運営

病後児保育室勤務の保育士が、作成した案内ツール。院内の飾りつけにも協力してくれます。

 区から委託されていた病後児保育室の引継ぎが承継条件だったため、現在も2名の保育士と看護師1名で最大利用人数6名の保育室を運営しています。「病後児」のため、38度以上の発熱の子どもは対象外です。「病児」保育室と勘違いする保護者も多く、予約時に事前の利用説明を徹底しています。近々、近隣に病児保育室の開設予定があり、積極的に連携していきたいと考えています。

 前院長が取り組んでいた園医、校医は、閉院した時点で、医師会内で分担されました。そのため、私が引き継ぐことはなく、クリニックと病後児保育室の開業準備に集中できました。開業が落ち着いた2017年の秋ごろに地域の保育所すべてに、クリニック紹介の挨拶まわりをしました。現在は100人規模の保育園2か所と企業主導型保育所1か所の園医を務めています。

承継開業のメリット

● 地域で小児科としての知名度があったため、行政・大家・地域住民から協力が得られた

● 内装費等の開業費用を一定程度抑えることができた

開業前に起きた想定外の出来事

①家賃の値上がり~不動産会社との交渉に院長も参加
 承継の際に不動産会社から、坪単価の値上げ依頼がありました。病後児保育室も含め80坪と、敷地が広いため負担は大きくなります。そこで、私も自ら交渉に参加しました。クリニックまでのビルの廊下やエレベーター内での緊急事態(子どもの嘔吐等)発生時に対応するという提案をし、最終的に約3割程度安くすることができました。その際も川原経営さんには、事前にアドバイスをいただき、とても心強かったです。開業時には、医師は多様な事業者との関わりができます。 専門業者にすべて任せるのではなく、自らも調べて対応することが重要です。

②医療機器やシステムの契約状況が分からず…
 前院長は診療、経営に関することを、ほぼお一人でされていました。前院長以外に、医療機器やその他システムの契約状況を分かる方がおらず、一つひとつメーカーへ連絡して、購入したものなのか、リースなのかを把握し、引継ぎをしました。

③契約後に前院長のご遺族により提示された細かい条件への対応
 内容は細かいものでも、数が多くなると精神的な負担も大きくなってしまいます。事前に細かい内容についても決めることで、承継が円滑に進みます。

将来へ向けた展望 ~地域に根差したクリニックを目指して~

 想定外の出来事もありましたが、一つひとつじっくり話し合い、丁寧に対応したことで、開業できました。医師会の先生方との結びつきも強く、開業前後も気にかけてもらえ、とても助かっています。これからも交流や連携を大切にしていきたいです。そして、地域の多くの方々が、この地での診療再開を期待していました。開業後に患者さんから「いい先生が来てくれてよかった」と言って下さることが多く、私も職員も、子育て支援地域の小児クリニックとして、やりがいを持って働いています。「勝どきには、大戸のクリニックがあるよね」と、認知してもらえるように、親しみのある診療を心がけたいです。

 

勝どき小児クリニック

開業年月:2017年6月

診療時間
09:00–12:00 ×
15:00-17:30 × × ×

※14:00〜15:00 乳幼児健診・予防接種
(一般診察時間内でも一部予防接種枠を設けています)
休診日 :木曜午後・土曜午後・日祝日
住所  :東京都中央区勝どき1-3-1 アパートメンツタワー勝どき3F
電話番号:03-5166-0150
URL  :http://kachidoki-sc.com/

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