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お知らせ

◆ブログ◆川原経営 人事労務研究室 vol.2

お知らせ2018.08.03

皆さんこんにちは。

川原経営 人事労務研究室第2弾です。

 

今回のテーマは、「働き方改革関連法について ~概論編~」です。

 

「働き方改革関連法」(正式名称は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」以下、改正法)が2018年6月29日の参議院本会議にて、成立しました。

今回の改正法は労働基準法、労働契約法、パートタイム労働法など全8本の法律の改正内容が1つの改正法としてまとめられたものです。

 

下の表は、改正内容を一覧にしたものです(医療・福祉業界として影響のある範囲を赤枠で囲っています)。

 

ちなみに裁量労働制の対象業務に「課題解決型の開発提案業務(一部の営業職など)」が追加される法案も盛り込まれていました。

しかし、厚生労働省が調査した、裁量労働制で働く労働者の労働時間の集計に誤りがあったことが発覚し、今回の法案からは削除されました。

 

まず施行時期ですが、医療・福祉施設は

「資本の額又は出資金の総額が5,000万円以下又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人」に該当する場合は、中小企業と判断します。

 

ここでいう「常時使用する従業員」とは、常勤・非常勤という考え方ではなく、「年間を通じて雇い入れる者」を指します。よって、パート職員や嘱託職員も1人の従業員として含めます(但し、試用期間の職員は含めません)。

 

また、「資本の額又は出資金の総額が5,000万円以下」の定義について、持分なし医療法人の場合は、出資がゼロと判断されますので、従業員の数が100人を超えていても中小企業と定義されます。

 

今回の改正法は①長時間労働の是正、②多様で柔軟な働き方の実現、③雇用形態にかかわらない公正な待遇が目的です。

 

もっとも影響が大きいのは長時間労働の是正を目的とした残業時間の上限規制です。労働時間の上限が法律に明記されるのは1947年に労働基準法が制定されて以降、初めてことで70年ぶりの大改革と言えます。

ただし、医師については改正法施行5年後の適用を目途に省令などで定めることを視野に、今後検討し、結論を出すことになりました。

 

医師の個別対応は、2017年の8月に発足した医師の働き方改革に関する検討会にて議論が進んでおり、決定事項が順次公表されていく見込みです。

 

また、今回、高度プロフェッショナル制度の創設が話題となりました。

この制度は①「高度の専門的知識、技術又は経験を要する」、②「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」両方を満たす業務を対象として、一定程度の年収要件(少なくとも1,000万円以上)を満たせば、本人の同意をもとに、年間104日以上の休日を除き、労働時間、休日、深夜割増賃金等の規定を適用除外とするものです。

 

医師業務は①高度でプロフェッショナルな業務である一方、業務に従事した時間と成果の関連性が認められる業務(時間と成果の関連性が認められる)のため、この制度の対象業務にはなりません。

 

この様に医療・福祉業界、とりわけ医師については個別の対応方法が求められる可能性が高く、今後の議論にも注目していく必要があります。

次回の更新で、それぞれ改正の内容と、医療・福祉施設としての対応方法を解説させて頂きます。

次回のテーマは「働き方改革関連法案について ~実務対応編~」です。

 

〇前ページ〇川原経営 人事労務研究室vol.1

 

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