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クリニックニュース

クリニックニュース(2011年11月4日号)

《厚生労働省》 医療経済実態調査結果、一般診療所はほぼ横ばいで推移
 
 第18回医療経済実態調査結果が11月2日、厚生労働省から中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会に報告された。中医協において、診療報酬改定の基礎情報資料と位置づけられている本調査は、今回の調査は東日本大震災の影響に配慮しながら、従来通り6月分の収支に加え、今回は年間データも対象として実施された。
 一般診療所(個人・無床)では、6月分収支では、前回(21年6月)と比較して医業収益が-1.6%とわずかに減少した一方、医業費用は4.1%増となり、損益差額は175.1万円(29.7万円減少)であった。差額率は30.7%から26.7%に縮小した。しかし、年間データでは逆の結果がでている(27.4%から28.3%に増加)。
 医療法人の無床一般診療所では、医業収益12.7%、医業費用が11.4%とともに増加となり、損益差額54.8万円(17.7万円増加)であった。有床診療所については、個人が医業収益、損益差額、差額率ともに増加したが、医療法人では医業収益、損益差額、差額率ともに減少した。一般診療所全体では、医業収益の伸びを医業費用の伸びが上回り、損益差額は減少、差額率は12.5%から10.8%に縮小している。
 平成22年診療報酬改定において、再診料が2点引き下げられた「診療所」であるが、ほぼ横ばいに推移しており、個人の無床一般診療所以外は年間データでも同様の傾向であった。


《次期診療報酬改定 ~厚生労働省》
糖尿病の「多職種重点外来」、支払・診療側とも大筋了承


 厚生労働省は10月26日に開催された中医協総会において、糖尿病対策として、患者に対し、外来で多職種が連携し重点的な医学管理を行うことへの評価を論点に挙げた。医師や看護師・保健師・管理栄養士等が連携して生活指導を行うことで、食生活や運動習慣の改善、投薬量の維持・改善へ導き、糖尿病の進行を食い止めるというものであり、医療費適正化にも効果的であるとしている。糖尿病患者は近年増加傾向にあり、厚労省資料では「糖尿病が強く疑われる人」「糖尿病の可能性が否定できない人」の合計は1997年から2007年の10年で1.6倍となっている。また、透析患者が増加している中、原疾患が糖尿病性腎症の患者の割合が最も多く、2010年には透析患者の43.5%となっている。医療費については、早期腎症期~合併症なしのステージの該当者で年間1人当たり約5万円であるのに対し、透析療養期の該当者は年間1人当たり約500万円に上る。
 この厚労省の提案を受け、総会では支払側も診療側も大筋了承し、診療側からは「糖尿病の年間医療費が1兆5千億円になっている現状を踏まえ、重症化を食い止めるべく、重点的な医学管理が必要」との意見が聞かれた。


《日本医師会総合政策研究機構》 TPP参加が日本の医療に及ぼす影響を分析

 日本医師会総合政策研究機構では、「オバマ政権の通商政策とTPP、および日本の医療」と題したワーキングペーパー(以下、WP)を10月24日公表した。
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、加盟国間で全品目の関税を撤廃し、政府調達や知的財産権、労働規制、金融、医療サービス等における非関税障壁(関税以外の貿易の障害となるあらゆる規制やルール)についても撤廃し、自由化する協定のことであり、昨今議論が活発化している。
 本WPは、米国政府が同じ高所得国グループに属する米国やEU諸国に比べ、日本の貿易体制が制限的であると見ているとし、その要因として日本の非関税障壁があると考えていると示唆していることを踏まえ、日本のTPP参加の是非を論じるものではなく、日本の医療への影響について考える材料を明らかにしている。
 米国政府は、日本の医療に関連する分野として、①保険、②医薬品・医療機器、③医療IT、④医療サービス ―の4分野において、日本政府に非関税障壁の撤廃もしくは縮小を要求しており、主な具体的内容は以下の通り。
【医療品・医療機器】▼新薬創出加算を恒久化し、加算率の上限を撤廃すること、▼市場拡大再算定ルールを廃止もしくは少なくとも改正すること、▼医薬品価格の外国平均価格調整(FPA)ルールを改正すること、▼新薬の14日処方日数制限ルールを改正すること、▼東アジア諸国における臨床治験データの受け入れを検討すること、▼医療機器に関する外国平均価格調整ルールを廃止、もしくはそれが不可能な場合はFAP算定時のルールと手法の不変性を確保すること、▼日本全国へのワクチンの供給促進策を推進し、2010年に採用されたHIB、肺炎球菌、HPVワクチンについて措置を拡充すること、▼推奨ワクチン特定のための明確な基準およびスケジュールを設け、新ワクチンの日本導入を迅速化すること、▼二国間の協力および意見交換を通じ、国のワクチン計画の策定に取り組むこと ―等
【医療IT】▼国際標準に基づき、技術中立性や相互運用性を促進すること、▼患者自身による自らの医療記録へのアクセスを向上させる医療ITを早急に導入すること
【医療サービス】▼営利的な事業者(外国のサービス提供者を含む)が営利病院を運営し、全ての医療サービスを提供できるようにすること


《社会保険診療報酬支払基金》 医科電子レセプトコンピュータチェック効果43.8%に

 社会保険診療報酬支払基金は10月31日、平成23年8月審査分の医科電子レセプトコンピュータチェック効果について公表した。同基金では、審査の充実のため、電子レセプトにおけるコンピュータチェックの範囲拡大に順次取り掛かっている。
 平成23年8月審査分の医科電子レセプトにおける請求1万点当たりの原審査査定点数は24.0点となっており、昨年同月に比較し、0.8ポイント増である。このうち、コンピュータチェックを契機とした原審査査定点数は10.5点であり、全体の43.8%(前年同月比4.7ポイント増)を占めている。
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