クリニックニュース
クリニックニュース(2011年11月21日号)
《内閣府税制調査会、厚生労働省・財務省》 診療報酬の所得計算特例措置(四段階制)再検討へ
内閣府税制調査会は、診療報酬の所得計算特例措置について、制度のあり方を含め再検討する方向である。
現在、医業・歯科医業を営む個人または医療法人において、社会保険診療報酬の所得計算の特例が設けられている。これは、社会保険診療報酬収入が5,000万円以下である場合には、所得税または法人税の計算上、概算経費率により計算した金額を必要経費または損金に算入することができるというもの。概算経費率は四段階制となっており、診療報酬収入が2,500万円以下であれば収入の72%、3,000万円以下は70%、4,000万円以下は62%、5,000万円以下は57%が税額控除の対象となる。これは、小規模医療機関の事務負担を軽減することにより、その経営の安定化を図り、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を図ることを目的としたもの。しかし本年度、会計検査院が四段階制の適用状況調査を実施したところ、▼多額の自由診療収入があっても社会保険診療報酬の金額が5,000万円以下であることにより特例を適用している、▼特例の概算経費率と実際経費率に開差があることにより多額の措置法差額が生じている、▼特例適用者のほとんどが実際経費を計算した上で、概算経費と比較して有利な方を選択している ―等が判明。会計検査院はこれらの結果から、本年10月、安住財務相に意見表示し、財務省と厚生労働省で特例の有効性について、機能しているかを検証し目的に沿った適切な制度にするための措置を講ずるよう求めている。
これを受け、財務省はこれらの会計検査院の指摘事項をまとめ、診療報酬の所得計算特例措置の存否を含めて再検討する方針を11月8日、税務調査会に提示した。また、11月18日の厚生労働省と財務省の政務折衝(税調随時調整協議)において、2012年税制改正の議論の中に、本制度の見直しについてが俎上に載せられ、協議がスタートしている模様。
《厚生労働省》 肺炎球菌細胞壁抗原(定性)の算定要件拡大へ
厚生労働省は10月31日、地方厚生(支)局医療課長等に向け、検査料の点数の取扱いに関する通知を発出した。これは、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成22年保医発0305第1号)の一部を改正するもの。感染症免疫学的検査における肺炎球菌細胞壁抗原(定性)の算定要件を、これまでの「喀痰または上咽頭ぬぐいを検体として、イムノクロマト法により、肺炎又は下気道感染症の診断に用いた場合」に加え、「イムノクロマト法により、中耳炎および副鼻腔炎の診断に用いた場合」にも算定可能と拡大した。10月26日の中央社会保険医療協議会総会において了承されている。
《日本医師会総合政策研究機構》 有床診療所の現状を調査
日本医師会総合政策研究機構では「平成23年度 有床診療所の現状調査」と題したワーキングペーパー(以下、WP)を11月9日公表した。これは、平成22年度診療報酬改定後の実態を調査分析したものであり、全国有床診療所連絡協議会会員3,624施設が対象(回収率27.9%)。平成22年度の収支は前回(平成20年度)の調査に比較し、全体としてやや改善傾向であった。経常利益率は法人・その他で5.1%、個人では17.2%となっているが、赤字施設は依然として3割(26.3%)を占め、経営状態の良い一部の施設が強い影響を与えていたと付記してある。診療科別では、産婦人科系や眼科・皮膚科系では経常利益率がやや高く、また、人工透析による収入が高い泌尿器科は他の診療科とは異なる傾向を示している。
入院収入別では、全体平均で(法人のみ調査)入院収入が28.0%を占めているが、入院収入の比率が高くなるほど、経常利益率が低下する傾向がみられたという。在宅医療に関しては、有床診療所では、在宅患者を必要時に自院に入院させることができるため、かかりつけ医による一貫した在宅医療の提供が可能であるが、在宅療養支援診療所の届出率は35.8%で、前回より約8ポイントの増加。地域別では、都市部に比較し地方部での届出率が高く、農村地帯・山間部で50.0%、へき地・離島で60.0%である。診療科別では内科系が62.4%、次いで外科系が41.0%であった。
有床診療所の課題として、無床化による有床診療所施設数の減少がある。無床化・休床化した有床診療所(n=227)にその理由の回答を求めた結果は、「看護職員の雇用が困難」が4割と最大の理由であった。また、「有床診療所が地域のケア必要度の高い患者を受け入れるには、夜間も含めた相応の看護職員体制が必要であり、スタッフ確保に向けた財政的基盤の整備と同時に地域の医師会などによる連携支援の早急な対応が必要と思われる」とWPはまとめている。
《厚生労働省》 看護師の能力に応じて特定の医行為実施可に
厚生労働省は11月7日、チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループを開催し、その中で、「看護師特定能力認証制度骨子案」が提示された。骨子案によると、「『チーム医療』の推進に当たり、看護師の役割は重要であり、高い臨床実践能力を有する看護師が、患者の状態を総合的かつ継続的に把握・評価する看護師の職能を基盤として幅広い医行為(診療の補助)を含む看護業務を実施すること等が求められている」と背景を掲げ、そこで、特定の医行為(特定行為)が診療の補助の範囲に含まれることを明確にするとともに、その実施方法を看護師の能力に応じて定め、適切かつ効率的に看護業務を展開する枠組み構築のために、保健師助産師看護師法(以下、保助看法)の改正を行うことを提言している。
具体的な特定行為としては、保助看法に、褥瘡の壊死組織のデブリードマンや脱水の判断と補正(点滴)等の「行為」を位置づけ、実施については、①厚生労働大臣から能力認証を受けた看護師が、認証の範囲の特定行為について医師の指示(包括的指示)を受けて実施する、②看護師が、医師の具体的な指示のもとで、危険のない実施体制で行う ―という2つの場合に限って可能とするよう提案している。
内閣府税制調査会は、診療報酬の所得計算特例措置について、制度のあり方を含め再検討する方向である。
現在、医業・歯科医業を営む個人または医療法人において、社会保険診療報酬の所得計算の特例が設けられている。これは、社会保険診療報酬収入が5,000万円以下である場合には、所得税または法人税の計算上、概算経費率により計算した金額を必要経費または損金に算入することができるというもの。概算経費率は四段階制となっており、診療報酬収入が2,500万円以下であれば収入の72%、3,000万円以下は70%、4,000万円以下は62%、5,000万円以下は57%が税額控除の対象となる。これは、小規模医療機関の事務負担を軽減することにより、その経営の安定化を図り、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を図ることを目的としたもの。しかし本年度、会計検査院が四段階制の適用状況調査を実施したところ、▼多額の自由診療収入があっても社会保険診療報酬の金額が5,000万円以下であることにより特例を適用している、▼特例の概算経費率と実際経費率に開差があることにより多額の措置法差額が生じている、▼特例適用者のほとんどが実際経費を計算した上で、概算経費と比較して有利な方を選択している ―等が判明。会計検査院はこれらの結果から、本年10月、安住財務相に意見表示し、財務省と厚生労働省で特例の有効性について、機能しているかを検証し目的に沿った適切な制度にするための措置を講ずるよう求めている。
これを受け、財務省はこれらの会計検査院の指摘事項をまとめ、診療報酬の所得計算特例措置の存否を含めて再検討する方針を11月8日、税務調査会に提示した。また、11月18日の厚生労働省と財務省の政務折衝(税調随時調整協議)において、2012年税制改正の議論の中に、本制度の見直しについてが俎上に載せられ、協議がスタートしている模様。
《厚生労働省》 肺炎球菌細胞壁抗原(定性)の算定要件拡大へ
厚生労働省は10月31日、地方厚生(支)局医療課長等に向け、検査料の点数の取扱いに関する通知を発出した。これは、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成22年保医発0305第1号)の一部を改正するもの。感染症免疫学的検査における肺炎球菌細胞壁抗原(定性)の算定要件を、これまでの「喀痰または上咽頭ぬぐいを検体として、イムノクロマト法により、肺炎又は下気道感染症の診断に用いた場合」に加え、「イムノクロマト法により、中耳炎および副鼻腔炎の診断に用いた場合」にも算定可能と拡大した。10月26日の中央社会保険医療協議会総会において了承されている。
《日本医師会総合政策研究機構》 有床診療所の現状を調査
日本医師会総合政策研究機構では「平成23年度 有床診療所の現状調査」と題したワーキングペーパー(以下、WP)を11月9日公表した。これは、平成22年度診療報酬改定後の実態を調査分析したものであり、全国有床診療所連絡協議会会員3,624施設が対象(回収率27.9%)。平成22年度の収支は前回(平成20年度)の調査に比較し、全体としてやや改善傾向であった。経常利益率は法人・その他で5.1%、個人では17.2%となっているが、赤字施設は依然として3割(26.3%)を占め、経営状態の良い一部の施設が強い影響を与えていたと付記してある。診療科別では、産婦人科系や眼科・皮膚科系では経常利益率がやや高く、また、人工透析による収入が高い泌尿器科は他の診療科とは異なる傾向を示している。
入院収入別では、全体平均で(法人のみ調査)入院収入が28.0%を占めているが、入院収入の比率が高くなるほど、経常利益率が低下する傾向がみられたという。在宅医療に関しては、有床診療所では、在宅患者を必要時に自院に入院させることができるため、かかりつけ医による一貫した在宅医療の提供が可能であるが、在宅療養支援診療所の届出率は35.8%で、前回より約8ポイントの増加。地域別では、都市部に比較し地方部での届出率が高く、農村地帯・山間部で50.0%、へき地・離島で60.0%である。診療科別では内科系が62.4%、次いで外科系が41.0%であった。
有床診療所の課題として、無床化による有床診療所施設数の減少がある。無床化・休床化した有床診療所(n=227)にその理由の回答を求めた結果は、「看護職員の雇用が困難」が4割と最大の理由であった。また、「有床診療所が地域のケア必要度の高い患者を受け入れるには、夜間も含めた相応の看護職員体制が必要であり、スタッフ確保に向けた財政的基盤の整備と同時に地域の医師会などによる連携支援の早急な対応が必要と思われる」とWPはまとめている。
《厚生労働省》 看護師の能力に応じて特定の医行為実施可に
厚生労働省は11月7日、チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループを開催し、その中で、「看護師特定能力認証制度骨子案」が提示された。骨子案によると、「『チーム医療』の推進に当たり、看護師の役割は重要であり、高い臨床実践能力を有する看護師が、患者の状態を総合的かつ継続的に把握・評価する看護師の職能を基盤として幅広い医行為(診療の補助)を含む看護業務を実施すること等が求められている」と背景を掲げ、そこで、特定の医行為(特定行為)が診療の補助の範囲に含まれることを明確にするとともに、その実施方法を看護師の能力に応じて定め、適切かつ効率的に看護業務を展開する枠組み構築のために、保健師助産師看護師法(以下、保助看法)の改正を行うことを提言している。
具体的な特定行為としては、保助看法に、褥瘡の壊死組織のデブリードマンや脱水の判断と補正(点滴)等の「行為」を位置づけ、実施については、①厚生労働大臣から能力認証を受けた看護師が、認証の範囲の特定行為について医師の指示(包括的指示)を受けて実施する、②看護師が、医師の具体的な指示のもとで、危険のない実施体制で行う ―という2つの場合に限って可能とするよう提案している。
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